体罰

大阪府立桜宮高校のバスケットボール部の男子主将が、顧問からの体罰を苦にして自殺という悲しい出来事が年末にありました。

 

「育ててくれてありがとう」という手紙を目にした両親のやりきれない気持ちを考えると心が痛みます。

 

子を想う親の気持ちは、本当に大きくて、理屈抜きで深いものです。保育園の子どもたちを見ていると、パパママの愛情がいかに大きいかがわかります。

 

今回の件を「暴力教師けしからん!」だけで終わらせてはいけません。

 

報道に出てこない、たくさんの事実があるのかもしれませんが、問題は大きく2つあると思います。

 

1つは、学校と教師の問題です。

 

顧問の教師は、熱い指導で、一部の生徒から慕われていたそうです。おそらく、自分のやり方が正しいと確信し、猛進してしまったと思います。でも、今回のように副顧問が体罰を黙認していたり、校長も自殺が発覚するまでは、事実を知らないということが無く、学校組織としての連携やホウレンソウがあたり前に行われていれば、顧問の行き過ぎを回避できたでしょう。

 

2つ目は、親子のかかわりの問題です。

 

これは、本当に難しくて、それぞれの家族にそれぞれの答えがあります。1つの答えにはなりません。まだ子どもが小さいうちは、母や父に今日の出来事などをたくさん話してくれますが、中学、高校になるとそうではなくなります。いじめを受けていても親に話をしないことが多いのです。

 

子どものSOSを感知する親の力も問われます。

「辛かったら、学校に行かなくてもいいんだよ。がんばらなくてもいいんだよ。」という、「がんばれ!」と反対のことを言うことも必要になるでしょう。

 

子どもを守るのは、最初にも最後にも親しかありません。子どもとのかかわり方は、それぞれの家庭で答えを出すしかありません。

 

保育園の子どもたちと接していると、まだ若いパパやママは、時に子育ての壁にぶつかります。

 

「叱りすぎるとトラウマになって、心の傷になってしまうのではないか?」

「最近、親の言うことを聞かないので、つい感情的になってしまう」

 

子どもが大人になったときに、様々な困難や試練と必ずぶち当たります。そこから、すぐに逃げてしまうか、ものごとのど真ん中に自分をおいて、立ち向かっていくか・・・当然後者の人間に育ってもらいたいはずです。時には、厳しい対応も必要になるでしょう。でも、根底にあるのは、親としての大きな愛であることに変わりはありません。

 

子どもを愛しているのならば、なおさら、躾も必要・・・善悪の筋道も親が教える事が大切です。厳しい言い方をすれば、学校まかせは、親の怠慢ともいえます。

 

「自殺」については、親より長く生きないということが、どんなに不幸なことか。子どもにも教えなければなりません。