発達障害に関する研修

私がPTA活動にかかわっていた時の、さいたま市PTA協議会会長のお子様が発達障害と伺っています。

 

さいたま市PTA協議会会長は、さいたま市の公立の小中学、特別支援学校150校以上を束ね、さいたま市教育委員会との直接の交渉窓口として、多忙を極めるお仕事です。個人的には、とても仲良くさせていただき、一緒にゴルフのラウンドをする仲です。もう、2年以上私はクラブを握っていないのですが、ベストスコア85の腕前です(ここでなんで自慢?!)

 

知的障害、肢体(身体)障害のように、いわゆる明らかに特別な支援を必要とする子どもたちとは違って、発達障害は「ちょっと、気になる子」という捕らえ方が、わかりやすいと思います。

 

注意欠陥多動症(じっと席につくことができない落ち着きのない子)は、全体の3~7%いると言われています。しかし、保育園児は、言わば全員落ち着きがないともいえるので、5歳過ぎて、あるいは小学校に入学してみないとわかりません。

 

自閉症については、様々な症状があるので、1つのパターンには当てはめることができませんが、集団の中が苦手で、大きな声も嫌います。一人でのこだわり行動が目立ちます。

 

アスペルガー症候群は、最近テレビドラマなどでも取り上げられることが多いのですが、コミュニケーションが苦手で、勉強も平均的には劣等生。でも、特定の知識、例えば、円周率を何百ケタまで覚えているとか、電車の駅をスラスラ言えるとか、信じられない能力を発揮します。あの、日米通産4000本安打を達成した、今ヤンキースに在籍する超スーパースターもアスペルガー症候群とも言われています。彼は、今までの全打席の配球を覚えているそうです。

 

先日、「発達障害に関する研修」を受講しました。さいたま市療育センターさくら草所長が講師を務め、現場での実体験に伴う研修内容でした。

 

子どもが生まれると、4か月、10か月、1歳半、3歳児健診がありますね。実は、この健診で、発達障害の疑いがあると診断されるのは、わずか23%です。さいたま市は、個人健診ですので、医者にとっても比較するということがなく、積極的に保護者に対して「あなたのお子様は発達障害の疑いがあるから、一度保健センターで診てもらってください」とは言えません。

 

家庭でも少子化の時代ですので、近所付き合いが多くて、同年齢の子どもたちと多く遊ぶ環境になければ、保護者も「おかしい?」は気がつかないことが多いそうです。

 

つまり、保育園や幼稚園での子ども同士のかかわりの中で、気がつくパターンがほとんどということになります。

 

さいたま市のデータでは、保育園で気になる子は?という問いに、3歳児12.6%・4歳児9.9%・5歳児8.9%となっています。保育園では子ども同士のかかわりの中で園児は成長しますので、3歳よりは5歳で少なくなる(克服される)傾向にありますが、平均すると10%・・・10人に1人が「気になる子」と言うことになります。

 

問題は、この10%の園児が、全て発達障害であり、それぞれ、注意欠陥多動性症候群とか自閉症とかアスペルガー症候群と決められるものではなく、症状も併発することも多く、また、年齢を重ねると克服する子ども多いのが実態です。

 

保育園が考えるべきことは、当然ですが、「この子は発達障害だ!」とレッテルを貼ることではなく、どのように対応するかが大切なことになります。

 

まずは、特定の職員、特定の場所から慣らさせて、保育園全体の環境に慣れること・・・他の園児に注目させるようにし、一緒にいると楽しいということを理解してもらう・・・上手に職員が誘って遊びに参加してもらうこと。

 

子どもへの対応は、自分で考えたり、遊びを作ることも、他の園児とのコミュニケーションも取れないことを前提に考えねばなりません。

 

そして、一番大事なのは、保護者との連携です。先ほどのPTA会長(女性のママです)のように、息子の自閉症のことを周りに話せるほど受入れる覚悟ができているママは少なく、一般的には、子どもへの批判的な感情が強くなることもあります。

 

保育園では、子育てに自信が持てるように励ますスタンスであることはブレていません。ただし、難しいのは、個々の保護者への対応です。お子様の状況も様々であると同時に、保護者の考え方を尊重しないといけません。

 

ホワイトきゃんばすでも、子どもたちの成長のために、「子どもたちの笑顔のために」という共通の目的を確認しながら、保護者との対応を考えていきます。

 

今回の研修では、大きな課題をいただいたと受け止めました。