水面に映る自分・・・

今日子どもたちを屋上へ連れて行くのに、5階の駐車場からスロープを歩いたのですが、現在5階の駐車場は大雪以来閉鎖されています。

 

雪の影響で、今もスペースの1/3が、池のように水たまりになっているのです。めったに見られる光景ではないので、こどもたちを連れて、水たまりギリギリのところまでやってきました。もちろん浅いので危険ではありません。

 

屋根があり、やや暗いので、水面(みなも)に映る子どもたちの顔が、はっきり、くっきり見えます。

 

「みんな、水面をのぞいてごらん・・・もう一人の自分がいるよ・・・」

 

まだ、小さい園児は、水面に映る自分の顔に怖くなってしまいます(笑)。5歳女の子が、「大丈夫だよ。これは鏡と一緒だから・・・」と言うと、安心して子どもたちは、水面に映る自分の顔を覗き込んでいます。

 

その時、大人である私は、ふと思ってしまいました。

「水面に写る自分が、心を映し出す本当の自分なのでは・・・」そして、恐る恐る水面に映る自分の顔を見つめます。

 

女子フィギュアスケートの浅田真央選手の事を考えました。

 

ショートプログラム前の真実の自分が映し出されたとしたら、日本国民の期待が重圧になり、自分を見失った顔であったのかもしれません。

 

でも、たった一日で、彼女の真実の顔は、自信に満ちあふれた顔になるのです。フリーの演技に臨む彼女の顔は、迷いのない強い意志を感じましたね。

 

「メダル以上の感動を私たちに与えてくれた」こんな言葉で形容される人は、浅田真央選手しかいないでしょう。

 

バンクーバーでの屈辱・・・最愛の母の死・・・4年という長い時間・・・彼女の笑顔の裏には、誰も知らない苦しみや挫折が数え切れないほどあったに違いありません。

 

私たちが、知らず知らずのうちに、彼女に重圧をかけてしまったにもかかわらず、最後は、彼女の笑顔に勇気をもらっています。本当に、こっちが「ごめんなさい」ですね。そして、心から「ありがとう」です。

 

3月の世界選手権では、どうか日の丸を背負ったり、自分を支えてくれた人たちのことは少し忘れて、自分との戦いに集中して、勝ってもらいたいですね。