「細川紙」

日本の和紙が、27日ユネスコの無形文化遺産へ登録されました。私が住む埼玉県では、小川町と東秩父村で生産される伝統的な和紙「細川紙」です。

 

無形文化遺産に登録されたのは、和紙そのものではなく、手漉き(てすき)の技術です。「細川紙はこの地域の宝物。1300年の歴史があるので、先人の意をくみ後世に残していきたい。」と細川紙の協会会長は語ります。

 

私も、10年ほど前に子どもたちを連れて、小川町の和紙の手漉きを経験しました。もちろん、観光客用の技術を伴わない簡易なバージョンですが、子どもたちは、当たり前のように身近にある紙が、昔はこんなやり方で作られていたことに、驚いたそうです。

 

細川紙に落ち葉などを一緒に入れて、子どもたちは、世界に一つだけのオリジナル和紙を作っていました。その真剣な眼差しは、今でも記憶に残っているほどです。

 

技術者協会が認定する現役技術者は11人いるそうです。いわゆる職人さんですね。実は、細川紙の需要はそれほど多くなく、細川紙を作るのは注文があった時だけで、ふだんは他の和紙を漉くそうです。


職人の一人は「紙漉きで食べていけなければ、志す若者もいなくなる」と心配します。全国の和紙の保存会なども「仕事が来ないから数をこなして経験を積めず、後継者が育たない」と危機感を持っています。


和紙作りという日本の伝統文化も後継者不足の問題を抱えています。今回のユネスコ無形文化遺産の登録で、その付加価値がさらに高まり、和紙を使用した「モノ」ではなく、「コト」を提案する若者が増えていけばいいですね。


今年は、日本を訪れる外国人が過去最高になります。東京リンピックを控え、毎年増え続けることが予想されます。


「世界にうつ!」という発想で、次世代を担う若者に頑張ってもらいたいですね。