後継者は育てるものでない!?

水槽の中を泳ぐ魚群。リードする先頭の魚を水槽からすくい出すと、魚群がどうなるか?

 

最初は、予想通り群れが混乱します。しかし、やがて魚群がまた秩序を取り戻して、群れをなして泳ぎます。

 

問題は、リーダー役ですが、決してそれまでのナンバー2やナンバー3ではありません。見たことのない魚です。正確に言えば「旧体制」の中で、目立たない魚です。

 

今日は、とても興味深いコラムを目にしました。

 

「後継者は、しっかりと育てるものだ・・・」というのが、どちらかと言うと日本の常識です。しかし、魚の群れのように、自然界では、トップが後継者を選ぶことはほとんどありません。

 

もちろん、自然界と人の組織は同じとはいかないですが、後継者を選んだところで、それが必ずしも機能するとは限らないことは、今まで多くの例がありますね。独裁国家やオーナー企業が長く継続しなかった場合の理由は、決められた後継者の力量不足があげられます。中には、優秀な三代目が改革して今がある・・・といった組織もあるのでしょうが、たいがいが「息子がていたらくで・・・」が目立ちます。

 

人の組織では、トップは年功でもなく、人気でもない。激しい生存競争を勝ち残るための群れの道具にすぎない。要は、人間性が豊かな人が必ずしもトップの器にふさわしいかどうかは、別の問題とも言えるのかもしれません。

 

コラムでは、「本物のリーダーになりたい人は、上司や社長に媚を売るのに、あまりエネルギーを使わないことです。抜擢と出世に人生をかけないことです。組織と立場がなくても、リーダー力を身につけることができます。後は、運とタイミングだけです。」で締めています。

 

どうですか?後継者問題は、どんな組織でも、大きな課題ですね。「後継者は、しっかりと育てるものである」「後継者は育てるものでない」どちらの考えにも、一理ありそうです。

 

保育園の子どもたちには、次世代を担う人になってもらいたいと、日々熱く接していますが、リーダーとして、組織を守る人物になるのも、人として尊敬される人物になるにも、もちろん、それぞれの信じた道を進んでもらいたいですね。もちろん、決めるのは、自分自身です。