ガリヴァー旅行記

子どもの頃に、誰もが読んだことがあると思います。主人公のガリヴァーが訪れる、小人の国や巨人の国などの様々なエピソードは、子どもにとっては楽しい童話になりますね。

 

ご存知、アイルランドのジョナサン・スウィフトの作品ですが、スウィフトの本当の狙いは、当時のイギリスの対アイルランド経済政策により、イギリスが富を享受する一方で、アイルランドが極度の貧困にあえいでいたことが背景にあり、旅行記の形式を模しながら、イギリス人の社会や慣習への風刺小説です。決して童話ではありません。

 

今、もっともヨーロッパ諸国で問題となっている事はイスラム過激組織と言論の自由を訴える人々との対立構造ですね。

 

事の発端は「風刺画」です。私たち日本人は、風刺漫画も、ここまでだったら笑って許される範囲を暗黙の了解で守っているし、言論の自由も、これ以上は名誉毀損につながるというギリギリの線は、そう簡単には超えないという感覚を持っていると思っています。

 

個人的な感想としては、「テロに屈しない」という考えは大いに理解できますが、世界の1/4の人口が崇拝するイスラム教のほんのひと握りの過激派テロ組織に対して、イスラム教徒全員へ不快な思いをさせる「風刺画」を再度、掲載する感覚はいかがなものか・・・テロの誘発は、間違いなく起こるでしょうし、そこに犠牲者が発生することを考えると、別のやり方はないものか・・・これでは、恨みの連鎖につながってしまうのでは・・・

 

もちろん、私が知らなかったり、理解していない深い問題があるのでしょうが、風刺画は、「それを見た人が、思わず笑ってしまうユーモアがあるもの」と定義するならば、恨みの連鎖にはならないと思ったりします。

 

ここらへんのブレーキが利く日本という国は、やはり平和な国なんでしょうね。この考えは、「もったいない(今や世界共通語)」から、世界に広めたいですね。