ユニセフからの便り

ユニセフがその活動の指針とする『子どもの権利条約』は、昨年11月に、国連総会での採択から25年の節目を迎えました。この四半世紀の間に年間の5歳未満児の死亡数はほぼ半減し、ポリオの発症は99%減るなど、子どもたちの生存と発達において大きな成果が生み出されたそうです。


しかしながら、いまも2億3000万人の子どもが出生登録されず、1億6800万人の子どもが児童労働に従事するなど、格差の広がりは止まらず、長引く紛争や感染症の影響で、家を追われ、保護者を失って厳しい状況に陥る子どもたちは絶えません。


ユニセフからの便りを紹介します。


ネパール すべての子供に教育を

「私の村には多くの問題があります。酔った夫が妻に暴力をふるったり、女の子を学校に行かせなかったり。私はいつかソーシャルワーカーになって、こういった問題を解決したいです」ネパールで最下層とされているカースト出身の15歳の中学生シーマさん。カースト差別が残っているネパールでは、最も弱い立場の低カースト出身の女の子が学校に通い続けられるように新しい取り組みが始まっています。


シリア 紛争で右足を失った6歳の女の子

「私は紛争化で対立しあうどちらの勢力側にも立ちません。娘たちが何をしたというのでしょうか。どうしてこんなことが起こってしまったのでしょうか」サファちゃんの父親アハメドさんは嘆きます。2011年来続くシリア危機により多くの人々がシリア国内や周辺国に避難しています。6歳のサファちゃんは、シリアの自宅が破壊され、避難中に紛争に巻き込まれ、やけどや傷を負い、そして右足を失いました。


ブルキナファソ 子どもたちの栄養不良を防ぐ

ブルキナファソの2歳の女の子マリアちゃんは、重度の栄養不良になり、45日間入院しました。入院当時の体重はわずか5キロでした。栄養不良は5歳未満児の死亡原因お3分の1に関係しているだけでなく、知能や身体の発達の遅れをもたらし、その後の子どもたちの人生を脅かし続ける重大な問題です。


コートジボワール 孤独から子どもたちを守る

「僕のHIV感染がわかったとき、伯母に感染について話すなと言われました。感染がわかると、そばに近づくことさえ嫌がる人たちもいるから」とHIVと共に生きる13歳のジャン君。コートジボワールは西アフリカの中で感染率が高い国ですが、HIV/エイズへの強い偏見が残っています。偏見は感染している思春期の子どもたちを孤立させ、治療へのアクセスを妨げます。


私たちは、この安全で幸せな日本で生活をしていますが、世界では、多くの困難が子どもたちを苦しめているという事実を認識しないといけません。そして、少しでも、世界の子どもたちへ役に立つことを行っていければ・・・と思っています。