発達障害のある子を支える

かつて、我が子が発達障害であることをきちんと受け止めて、子育てを頑張っている知人がいました。恥ずかしい話ですが、私はその時、初めて発達障害の内容を知りました。

 

発達障害とは、生まれながらの脳の障害機能が原因の障害で、意思疎通が苦手な自閉症、読み書きなど特定の事柄に困難を抱える学習障害(LD)、落ち着きがないといった特徴を持つ注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの総称です。

 

2012年の文部科学省の調査によると、全国の公立小中学校の通常の学級に、発達障害のある子どもは、16人に1人だそうです。いわば、「見えづらい障害」であり、親が子どもを発達障害と認識することもわからない場合が多いのが実態です。

 

ホワイトきゃんばすの園児の中にも、近くの特別支援学校のカウンセリングや専門の先生の指導を受けながら、登園する園児が複数います。保護者と私ども職員と特別支援学校とが連携しながら、お子様にとってのベストの対応を実践しているのですが、こうして、子どもの状況を受け入れられる保護者はまだ少ないです。

 

次男が自閉症と診断された40代の女性は、義母に「うちは障害のある血筋ではない」と言われ、「いつ治るの」という言葉も苦痛だった・・・親族を含めたまわりからの理解不足が、発達障害の子どもを持つ親にとって、大きなプレッシャーにもなっています。

 

「発達障害は生まれつきの障害で、子育てや親の愛情不足が原因ではない。誰のせいでもない」「発達障害の子どもは、可哀想な子でも不憫な子でもない。親が隠してしまわないように、まわりが支える」「子どもだけでなく、頑張っている親も認める」

 

そのような、まわりの理解ある環境が必要だと言えます。

 

小学校に入学させる時に、普通学級がいいか特別支援学級がいいか、保育園のママは悩みます。普通学級では、他の児童に刺激を受けながら成長する姿があるでしょうし、少人数の特別支援学級では、自分のペースで学校生活を楽しむ姿もあります。

 

普通学級が「良し」で、特別支援学級が「悪い」ということは決してありませんし、そんな偏見に屈せず、自分の子どもにとってベストの環境を考えるのが親の役割であり、私ども職員も一緒に考えていく内容だと思っています。

 

保育園での子どもたちの話をしましたが、発達障害の疑いがあるとわかるのは、実際には小学校や中学校になってからの方が多いのです。

 

普通学級の16人に1人という数字は、もう「例外的なこと」では済まされない人数です。子どもたちを取り巻く環境が、少しでも理解がある人たちに恵まれる社会にしていかねばなりませんね。

 

「心配せんでもいい」「ゆっくりでも、子は絶対に育っていく」「私に出来ることは何でもする」と、子どもと親を励ます世の中に・・・