ナイトツアー~水辺の生き物を観察しよう!~つづき

遊歩道にある池での採集に、子どもたちは大満足です。「まだとりた~い!」の声を背に遊歩道を後にして、次の目的地「ザリガニ池」に向かいます。すると、地面をノソノソと歩く虫がいます。「セミの幼虫が歩いている!」と園児のパパが発見しました。


私も初めて見るシーンでした。それは、アブラゼミの幼虫が、羽化のために自分が登る木を探して歩いていたのです。もしかしたら、今夜はセミが羽化する瞬間が見られるかもしれないと期待が膨らみます。


そして、ザリガニ池の周りにある柳の木で、羽化したばかりの真っ白なアブラゼミを発見しました。これには、子どもたちよりも、パパやママたちが「シーン」と声を潜めてじっと見つめています。もちろん、セミの羽化のシーンを見るのは、みな初めてです。


そして、となりの柳の枝には、数匹のアブラゼミが羽化をしようとしていました。まわりには、桜やクヌギの木もありましたが、セミが羽化するのに一番に選ぶのは、柳の木のようです。


アブラゼミは、7月中旬から8月にかけて羽化するのですが、土の中で幼虫として6年間も過ごします。セミの種類によっては、10年以上土の中で過ごすものもあり、幼虫での生態はまだきちんとわかっていないようです。


今夜見つけた、真っ白なアブラゼミは、数時間かけてアブラゼミの名前の通り茶色になっていきます。酸化によって、純白が茶色になるそうです。6年かけて、ようやく成虫となったアブラゼミも2週間で死んでしまうと言われています。


「はかない命だね~」と子どもたちに説明すると、ポカーンと口を開けてノンリアクションの園児たちです・・・はかないの意味はまだ早かったようです。(笑)


ザリガニ池では、赤く大きく成長したアメリカザリガニを採集しました。両手のハサミを使って威嚇する姿はとても凛々しいですね。子どもの頃、スルメをエサにザリガニ釣りに夢中になった少年時代を思い出します。


ということで、ナイトツアー後半戦では、思いもよらないセミの羽化シーンを観察することができ、保護者の皆様も職員も大感動の夜でした。


ナイトツアーは、また来週に2回目を行います。今回同様20名以上が参加します。子どもたちの夏の思い出は、たくさんあったほうがいいですね。その一つにナイトツアーの思い出も入ります・・・(笑)