ふたつの名前を持つ少年

今日は、ナイトツアーで採取した、アメリカザリガニやオタマジャクシ、小魚たちを屋上の池に放流しました。


「なんで・・・えんちょう先生・・・魚がかわいそうじゃないの?」という3歳男の子。子どもにとっては、エサがもらえて、園児たちから見られる環境の方が、魚にとっては幸せと感じるようです。


「広い屋上の池の方が、いっぱい泳げるし、他のお友だちの生き物がたくさんいるから、その方が、しあわせだと思うよ」にようやく納得の男の子です。


さて、この夏は、戦後70年の節目ということもあり、例年以上に、戦争を考える番組や報道が多いですね。そして、日本だけではなく、世界でも多くの物語が発信されています。


「ふたつの名前を持つ少年」という映画が、終戦の日の8月15日から全国で放映されます。物語は、ナチスドイツの手から逃げた8歳のユダヤ人少年の実話です。ナチスの悲劇については、「アンネの日記」が世界中で読まれていますが、私たちが知らない真実は、まだたくさんあります。


「スルリック」というユダヤ人の名を捨て、ポーランド人孤児「ユレク」と名乗り、森に潜んだり、食べ物を求めて農村を歩きながらたった一人で3年もの月日を生き抜いた物語です。少年は、逃亡の途中で右手を失います。


この実話の少年は、今ではユダヤ人の名前を名乗り、多くの子供や孫とともに、80歳を超えて元気に暮らしているそうです。あまりにも悲惨な体験をなかなか公にできなかったようですが、今は、二度と同じ戦争の過ちを繰り返さないようにと、この体験を語り続けることを決心します。


人は、学習する生き物ですが、忘れる生き物でもあります。こうして、現在の日本では考えられない歴史の真実をこの夏、できるだけ触れてみることが大切なのかもしれません。子どもたちに「生きるとは何か・・・生きることはすばらしい」ということを教えなければなりません。