イチロー思考

「ぼくの夢は一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校で全国大会へ出て、活躍しなければなりません。活躍できるようになるには、練習が必要です。

ぼくは、その練習にはじしんがあります。ぼくは3歳のときから練習を始めています。3歳~7歳までは半年くらいやっていましたが、3年生のときから今までは、365日中、360日は、はげしい練習をやっています。だから一週間中、友だちと遊べる時間は、5~6時間です。そんなに練習をやっているんだから、必ずプロ野球選手になれると思います。」

 

これは、小学校6年生の時に、「夢」というタイトルで書かれたイチロー選手の作文です。

 

彼は、「プロ野球選手になりたい」と願うのではなく「実現させる」と断言しています。この作文は、「どうすればそれが実現するか」という将来の戦略ですね。

 

ピートローズの持つ通算4256安打まで、あと70本に迫る、イチロー選手は、必ず、記録を達成するだけでなく、4257安打の後にも「まだ通過点です・・・」と答えることでしょう。

 

イチロー選手は、体がボロボロになるまで、現役を続けるのではなく、年齢を重ねても、若い選手には負けないプレーを続ける選手でいるのでしょう。彼は、本気で50歳まで、プロでできると思っています。

 

さて、子どもたちには、イチローのようになれ・・・とは言いません(笑)。イチローなら「僕を目標にするなら、僕を超えることはできない」とバッサリ切り捨てるでしょう。

 

子どもが自分で、やりたいことや、なりたいものを言うことができれば、それを実現させるための具体的なプロセスを子ども自身で描けるように、私たち大人が上手に見守りたいですね。

 

保育園でも「パティシエ」になりたい・・・とか、寺子屋さんの中には、具体的な夢をもつ園児がいます。もちろん、これから大人へ成長するまでに、多くの夢を描くことになるでしょう。先生は、「○○になるには、まず○○をして、次に○○をして、今度は・・」なんて、大人の常識を子どもたちに押し付けてはいけません。聞き役になりながら、たまに「すごいね~いいね」と口をはさむくらいがいいです。子どもたちが、自分で考えることが大切なことですね。