中学校の部活に「防災部」!?

この秋は、台風だけでなく爆弾低気圧などの影響で、日本全国で大きな災害に遭われた地域がたくさんありました。今でも、避難生活を余儀なくされている人々が多いことに心が痛みます。


さて、東京都荒川区では、今年度から、10校ある全ての区立中学校に部活動として「防災部」ができたそうです。この半年間で、350人以上の生徒が地域社会のために立ち上がりました。


区内に住む独り暮らしの高齢者の家に、大雨が降った日の翌日などは、防災部の生徒が一軒一軒訪ね、声を掛けて回るので、大変喜ばれるそうです。また、各地の防災訓練では、防災部の生徒がポンプを作動して消火活動の披露すると、実践さながらの頼もしげな姿に、地域の方々から大きな拍手を頂いたそうです。


各種の調査で、日本の子どもたちには、自尊感情が低い傾向にあると言われています。もともと、日本人は国民性故か、常に自分の国を低く評価する傾向にあります。平成26年の内閣府の調査でも、日本の未来は「暗い」と思う日本人は60%、自分の将来に「不安」を感じる日本人は69%だそうです。


荒川区の防災部の活動は、「自分たちがやっていることは、世のため、人のための凄いことなんだ!」と、生徒たちが自尊感情を高める上で大きな効果があり、自分が役に立っていると感じることで自己肯定感を学ぶと、荒川区の教育長は語ります。


高齢者と若者をつなぐ活動にもつながり、映画「3丁目の夕日」ように、地域の大人たちが子どもたちを一緒に育てていく時代に近い環境になっているのかもしれません。