07日 2月 2016

清原和博

私の世代では、ＰＬ学園で甲子園を沸かせた、KKコンビ清原・桑田選手は、憧れのヒーローでした。巨人に入団した桑田に対して、意に反して西武ライオンズに入団した清原もドラマのようなシーンでした。

 

学生の頃に、西武ライオンズ球場で、売り子のアルバイトをしていた私は、４年の時に、入団１年目の清原選手をよく見かけました。ちょうど、店の裏側でバッタリ清原選手と遭遇するのですが、体が大きいだけでなく、オーラも凄かったですね。

 

入団１年目から、村田兆治投手を相手に、ホームランをかっとばし、ロッテの落合選手からは、その打撃センスに太鼓判を押されていました。

 

大リーグへの道を切り開いた、近鉄の野茂投手は、清原との対戦では、決め球のフォークボールを投げないで、あえて相手が待っているストレートで勝負しました。野茂投手は、フルスイングで向かってくる清原選手には、ストレートの真っ向勝負しかない。これが、プロの勝負だ。と語っていたそうです。

 

しかし、清原選手は、現役時代に、一度もタイトルを獲得することができませんでした。それでも、「無冠のヒーロー」と言われるように、彼のカリスマ性だけが大きくなっていったのです。

 

彼は、「自分から野球をとったら何もない」と語っていたそうです。「いつかはユニホームを着たいんや。コーチでもええけど、やっぱ監督やってみたいな」と逮捕前にコメントしています。

 

かつての栄光との激しいギャップ。尊敬から軽蔑の視線を直視できない高いプライド。彼は、弱みを見せることができない、悲しみがそこにあったのかもしれません。

 

清原和博のような、常にスポットライトを浴びてきた人間の気持ちは、私を含め多くの人には理解できません。しかし、やり直すことは、どんな人間でもできます。かつてのスーパースターへの期待は、多くの人が願ってやまないのです。