インクルーシブ教育

今日は、この春小学校2年生になる、卒園児の女の子が遊びにきました。もう小さくなった自転車を持ってきてくれました。ピンクの自転車です。競争率が高くなりそうです。彼女は、運動神経が良かったので、すでに3歳の時には、屋上で自転車を乗り回していました。

 

さて、障害のある子どもとない子どもが共に学ぶ「インクルーシブ(包括的な)教育」は、国際的には、スタンダートになってきています。しかし、日本ではどうでしょうか。

 

仙台市に住むダウン症のアイちゃんは、小学校6年間を特別支援学級ではなく、あえて普通クラスで過ごしました。6年間を終えた同級生の言葉です。

 

「アイちゃんは私たちと基本的には同じだと思う。でも、頑張ってもできないことが多いから、どうカバーするかをみんなで考えた。いない方が大縄跳びやサッカーはうまくいくだろうけど、そこで逃げたら周りは成長できない気がする。」

 

「アイちゃんは、自分は特別っていう甘えがある。もっとできると思うから、あそこは直した方がいい。でも、クラスはアイちゃんがいたことで、自分だけが楽しむんじゃなく、全体で協力しながら達成する楽しさを学んだ。」

 

「いろいろ違う人がいる方がクラスとしてはいいと思う。同じような人ばかりだと、なんでもすぐ決まっちゃう。アイちゃんみたいな人がいれば、失敗して、悔しい思いをして、みんなで話し合う。6年間一緒で、意外と楽しめた。」

 

昨日参加した、キッザニア東京を立ち上げた中川敬文さんの講演会を主催したのは、「こんな学校にしたい会」という浦安の市民団体です。初めて参加したのですが、子どものことや学校のことについての思いは、とても熱い人たちが集まっていました。

 

フランスの教育に感動し、フランスに移住して教育に関わる仕事についた小学校の先生。オランダのイエナプラン(ホワイトきゃんばすの異年齢保育は、これを参考にしています)に心酔し、経営する会社を譲り、オランダに移住、我が子をオランダのイエナプラン校に通わせるお父さん・・・といった、かなりコアな人とも話をしました。

 

多かったのが、特別支援学校の教員です。私は、どうも楽観的なところがあるので、このアイちゃんのように、困難があれど、最後はクラスの仲間に受け入れられると考えます。「色々あるけど最後は何とかなる」と物事をいい方に考える癖があります。(笑)

 

しかし、特別支援学校の教員は、「理想通りにいかないこともある。子どものことを考えたら、普通学級が絶対いいとは言えない。」と私の考えに釘を刺します。

 

当然、アイちゃんを支えたのは、クラスの仲間だけでなく、校長はじめ6年間に関わった先生たちの力や、親の強い意志もあるでしょう。アイちゃんを取り巻く環境が、十分だったとも言えます。

 

それでも、冒頭の同級生の言葉に、やっぱり分けないで過ごせる学校がいいと考える私です。みなさんは、どう考えますか。もちろん、イエスかノーかという簡単な議論ではありません。