風が吹けば・・・頭を下げる

風が吹けば桶屋が儲かるという言葉はよく聞きますが、頭を下げるとは何のことやら?

 

『校庭の砂ぼこりについて、風が吹くたびに頭を下げる。毎月、自治体や議員を交えた会議があり、夜間まで議論は続く。「散水が甘い」と指摘されれば毎日水をまち、まけばすぐに「洗濯物がぬれてしまった」と、また苦情である。部活動の朝練習の声出しにさえ、苦情の電話が鳴り響く。

 

あるとき、地域の方が生徒の首根っこをつかんで、学校に駆け込んできたことがあった。どんな悪いことをしたのかと尋ねてみると、「こいつは信号機のボタンを押したのに渡らなかった」地域の方は、「名前を教えろ。自宅はどこだ」と声を荒げる。

 

私は「校外で起きたことですが、今回は学校が責任を持って指導します。まずは、手を離していただけないでしょうか」とお伝えする。地域の方はすかさず、「お前たちはいつも生徒をかばう」これに対し、「そうです。それが学校です」と返す。私はさらに、「あと半年で卒業する生徒は、この町でこれから30年、40年と皆さんと一緒に過ごしていきます。どうか引き続きよろしくお願い致します」と頭を下げ、「人の学校の生徒」ではなく、「子どもも地域の一員である」と意識を改めてもらうように促す。』

 

これは、ある中学校の副校長の独り言です。この副校長が、一枚も二枚も上手ですね。

 

この話を、しょうもない地域の大人だなと嘆くのは簡単ですが、私たちも自分が住む地域の大人として、もう一度、明日の日本を担う子どもたちに、どうあるべきか・・・考えてみませんか。