一村一品運動

昭和54年から24年にわたって、大分県知事を務めた、平松守彦さんが、先日お亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

みなさんは、「一村一品運動」をご存知ですか。これは、平松知事が地域の特産物を作って、全国に打って出る、地域興しの先駆けとなった取り組みです。全国の地方自治体や流通業界も注目し、私も新人営業マン時代に学んだ内容です。

 

「ローカルにしてグローバル」という標語のもと、全国に通用するだけでなく世界に通じる物を作るという目標を掲げ、シイタケ、カボス、ミカン、豊後牛、関あじ、関さば、大分麦焼酎など、日本全国に通用するブランドを生み出しています。現在では、特産品の品目は336にのぼり、うち、年間販売額が1億円以上の産品は、131品目もあるそうです。生産額の合計は、1400億円に達しているそうです。

 

1400億円を稼ぐ、食品企業はそうあるものではありません。大分一村一品株式会社は、付加価値の高い特産品を生産するだけでなく、「人づくり」「地域づくり」も同時に行っているのです。

 

平松知事が音頭をとるものの、実際に考えて、商品化していくのは、その村単位の「人の力」です。「となりの村に負けてたまるか!」という、いい意味での競争心も生まれたことでしょう。

 

そして、この運動は、国際協力機構の青年海外協力隊を通じて、タイ・ベトナム・カンボジアなどの海外にも広がりを見せているそうです。日本政府も途上国協力の方策として、途上国の一村一品運動を支援しています。

 

大分のローカルな取組みが、まさにグローバルな世界への取り組みに広がっていったのです。日本の地方には、その土地の原料を使ったり、独特のライフスタイルを反映した素敵な特産物がたくさんあります。

 

地方創生が叫ばれる今、この一村一品運動を地方活性化につなげる手段として、上手に活用したいですね。