子どものモチベーションをあげる「ペップトーク」

少し前の話になりますが、伝説になった2011年ワールドカップ女子サッカー。決勝戦で、当時の世界チャンピオンのアメリカ相手に同店でPK線になった時に、佐々木則夫監督が選手たちに言った言葉は「思いっきり楽しんでこい!」だったそうです。「せっかくここまで来たんだから負けるな」とは言いません。

 

肯定的な言葉で、短く分かりやすく、人の魂を揺さぶり、その気にさせる。それを「ペップトーク」と言います。

 

アメリカなどの一流のスポーツの世界では「指導者は、言葉の力を磨いてここに来ている。本番を迎えるに当たってどんな言葉をどう言うか。言葉に命を吹き込めない者は、言葉のパワーを与えられない者は、アメリカでは監督になれない」と言われています。

 

私たちの多くは、アスリートのコーチではないので、言葉の力は、子どもたちに向けることにします。

 

初めてのピアノ発表会で、手が震えている子へ言葉は、「なに、びびってるの。この程度の発表会でびびってるようじゃ、今までの練習が全部無駄になるわよ!」は、ダメな例です。「手が震えているのは武者震いといって、あなたが本気になった証拠だよ。自分の本気を信じよう。みんなにあなたの本気の演奏を聴いてもらおう。さぁ、本気で弾いておいで。」これが、ペップトークということになります。

 

マイナス表現とプラス表現を例に挙げます。

噓をつくな ×  正直に話そう 〇

サボるな ×   しっかりやろう 〇

ボケっとするな × 集中しよう 〇

廊下を走るな × 廊下は歩こう 〇

 

どうですか、私たちが何気なく使っている言葉の中には、相手のやる気をなくすことも、その気にさせることも含まれているのです。

 

電車に乗るとよく聞く、「駆け込み乗車はおやめください」と言うからみんな駆け込むのですが、「次の電車をご利用ください」と言われれば、足が止まりますね。

 

保育園では、子どものやる気スイッチを入れるには、どうすればいいかをよく考えます。これには、やはり「言葉の力」が効果的であることは、今までの経験でわかっています。そして、今日からは、この「ペップトーク」を意識するのはいかがですか。我が子へ・・・また、部下や後輩を持つ社会人へ・・・あなたのまわりの人たちの行動が変わるだけでなく、あなたの言葉が素敵に変わっていくことでしょう。