「原発避難いじめ」演劇に

「ひとごとでなく、自分のこととして感じて欲しい」

 

復興の担い手を育てようと、福島第一原発から30キロ圏内の福島県広野市に2015年4月に開校した県立ふたば未来学園の演劇部11人が創作劇「数直線」を演じます。

 

「いじめられてたの?どうして?」「『放射能がうつるから』って言われた」

この演劇は、2月に東京で公演され、今月には福島県いわき市でも公演が予定されているそうです。

 

福島から横浜市に避難した後、いじめを受けた男子生徒の手記が報道されています。原発避難いじめ問題が深刻であることが浮き彫りになりましたが、また同時に、いじめられている生徒を励ます活動も取り上げられるようになりました。

 

劇中で、いじめ体験を語る「サツキ」を演じる1年生の生徒は、全町避難を強いられた富岡町出身で、原発直後の春から夏にかけて、家族で首都圏の親戚宅に避難したそうです。小学生だった彼女は、避難先の学校で「放射能がうつる」などと言われたそうです。

 

当初は、「つらいことを思い出す」と震災を題材にした劇に出演することには抵抗があったそうですが、部員以外には打ち明けていなかった体験を観客の前で初めて話しました。「震災を考えてもらう劇を演じることを誇りに感じる」と語ります。

 

あと2日で、3・11です。あの東日本大震災から6年が経過しても、まだまだ私たちの知らないところで、多くの困難を抱えた人たちがいることでしょう。私たちは、その事実を正面から受け止めて、自分ができることをしていきたいですね。