映画の力で非戦を

昨日は、福島県泉崎村にある、さつき温泉でゆっくりしていました。ここは、観光温泉というよりも地元の人が通う小さな温泉ですが、100%源泉かけ流しのいい湯です。この温泉の前に、「ナマズの養殖」のいけすがあります。

 

先日、このブログにもナマズのことを書きましたが、泉崎村でナマズの養殖を始めた方は、何か村の名物を作りたいということで、いけすを作り、稚魚2000匹からスタート。しかし、ナマズは共食いをするので、すぐに数が激減、また夏場の水温上昇もナマズにとっては良くない環境という壁にぶち当たります。

 

そこで、自動エサやり機を導入し共食いをなくし、夏場は、冷たい地下水をくみ上げることで水温の上昇を抑え、なんとか、安定供給のめどが立ったそうです。何事も、トントン拍子とはいかず、様々な困難を乗り越えて、形になるものですね。

 

さて、今日は、8月15日・・・終戦の日です。72回目という長い月日が経ち、戦争を経験した人が少なくなり、戦争を次世代に語り続けていくことが難しくなってきました。

 

最も進行した「ステージ4」の肺がんを公表し、闘病中の映画監督、大林宜彦さんが、映画の力で非戦を・・・というメッセージを伝えてくれました。

 

「戦争といえば、無意識に、本能的に嫌だ、やめよう、ばかばかしいと思う。反戦じゃないんです。非戦なんです。戦争がないことが一番というのが皮膚感覚としてある。映画は、情報ではなく、物語りだから、十人が見れば十通りの物語がある。一人一人が自分はこう思う、こう信じると想像力を使って読み解くものです。かつて、黒さん(黒沢監督)にこう言われました。映画によって平和を願う大先輩の遺言です。『俺が80年かかってやったことを君の世代なら60年で学べるだろう。20年残るじゃないか。だから、20年は先に行ってよ。それで君の子が、孫が、ひ孫がずっと先に行ったら、人類は賢くなって、そのときは戦争なんてないぜ。大林君、俺の続きをやってよね』って。平和の映画を作っていれば、いつかは世界は平和になる。僕は映画という道具を使って、人間の夢を、理想を手繰り寄せたいと思っているんです。」

 

尾道3部作の「さびしんぼう」に魅せられた私は、大林監督は大好きな監督の一人ですが、近年は、「この空の花」「野のなななのか」などで、戦争や平和がテーマの作品を発表しています。

 

この地球から、戦争がなくなることは、もはや「人間の夢」というのが、現実かもしれませんが、この夢を実現させるためにも、次世代の若者たちに、このバトンを託していかねばなりません。8月15日の今日は、そんな大切な事を考える日でもあります。