インクルーシブ教育

今日は秋分の日ということで、お墓参りなどの車で、道路が渋滞しているところが多かったようですね。ご先祖様を敬うという、日本の古き良き習慣は、若い世代にも引き継がれて欲しいことです。

 

さて、インクルーシブ教育という言葉・・・皆さんはご存知ですか。「障害があっても、違いによって分けない教育」という内容です。障害者だけでなく、広く民族や宗教の違いも含まれます。日本でも少しづつ「こうあるべき論」がささやかれるようになってきました。

 

前にブログでも紹介したことがありますが、「みんなの学校」という映画があります。インクルーシブ教育の理念を体現したといわれる大阪市立大空小学校を取り上げたドキュメンタリー映画です。第68回文化庁芸術祭大賞など数々の賞を受賞した作品です。大空小学校は公立の小学校です。

この学校では、障害のある子も障害のない子も、すべての子どもが同じ教室で学んでいます。この学校では一人ひとりの個性が大切にされ、誰もとりこぼされたり、置いていかれることがありません。校長先生を中心として、教師、地域の保護者が手をとりあいながら子どもに関わる中で、誰もが通い続けられる学校を作り上げました。

全国で上映会が開かれており、子どもをもつ保護者や学校関係者、また一般の人々にも大きな反響を呼んでいる作品です。不登校ゼロを目指す学校の先生の息遣いや葛藤、子ども同士の関係、先生と子どもの関係がリアルに描かれています。教育とは何か、あるべき学校の姿とはどういうものであるべきなのか、この映画はさまざまな問いを投げかけてくれます。

 

大空小学校の校長室前の廊下には、「大空のたった一つの約束」が掲示されています。「自分がされていやなことは 人にしない いわない」と書かれています。小学生にとっては、とてもシンプルでわかりやすいことですね。

 

もう一つの「インクルーシブ教育はこうあるべき論」の映画は、「レインツリーの国」という映画です。

 

文部科学省がインクルーシブ教育の理念を普及させるために、タイアップした作品です。有川浩さんによる原作小説をもとにした、聴覚障害のある女の子と、耳の聞こえる男の子との恋愛物語です。

恋愛の話でありながら、聴覚障害者の苦悩も描かれており、それがヒロインの言葉として示されます。また障害のない人の意見や声も代弁されているのです。この映画では、決して障害のある人に一方的に肩入れすることなく、あくまで障害のある人と障害のない人の立場を公平に描かれています。

葛藤や悩みを抱えながらぶつかりあっていく二人の姿に、障害のある人と障害のない人の間に生まれる葛藤や、それを越えて共に生きていくことの大きな意味を感じられる作品です。

 

大空小学校のような、障害がある子もない子も同じ教室で学ぶことが「こうあるべき論」とするならば、現実の日本の学校は、特別支援学級が増え特別支援学級に通う児童生徒が増えているのです。

 

つまり、現実は理想通りには行かない・・・というのが、日本におけるインクルーシブ教育の実態といえるのです。では、どんなことが問題なのか・・・つづきは明日