「自分らしさ」と「自分勝手」

「自分らしさ」という言葉は、個性的という意味にも受け止められ、プラスのイメージとして、私たちは使っています。一方で、「自分勝手」という言葉は、自己中心的という意味に受け止められることが多く、マイナスイメージの言葉です。

 

しかし、この「自分らしさ」と「自分勝手」は、紙一重だったりします。

 

ある新人教師は、教師になって学級を持ったら、クラスの掲示物にはこんなものを張りたい・・・朝の会や帰りの会ではこんなことをしてみたい・・・と学生の時から思っていて、教師になり、積極的に行ったそうです。

 

しかし、そうしたやる気や意欲が周りにうまく伝わらず、他の先生たちからは「自分勝手」とか「足並みを乱す」と映ってしまったようです。新人教師は、良かれと思って実行することを次々と否定され、せっかくのやる気がしぼんでしまったそうです。

 

これは、学校組織だから起こることではなく、民間企業でもよくある話です。私も、新人時代には、「自分らしさ」を勘違いして、暴走してしまったことが、何度もありました。(笑)

 

「組織の中で働く」ということは、組織の経営方針や、過去から行われてきた伝統的な活動や、風土を理解しなければなりません。よく「同じベクトルで・・・」といった言葉が使われますね。それを乱したり、考慮しない行動は「自分勝手」と見られることが多いのです。

 

どうすればいいでしょうか・・・よく「上司や先輩に相談をする」というのがあります。しかし「〇〇したいんですが・・・」だけでは、説得力がないですね。やりたい事の目的やねらい、効果などを言えるかどうかが大切です。

 

保育園の子どもたちの行動は、「自分らしさ」と「自分勝手」が、複雑に入り乱れています。(笑)それでも、子どもなりに、説得力が認められれば、「〇〇ちゃんは、個性があっていいね~」と思われ、逆の場合は「〇〇くんは、いつも自分勝手だ・・・」なんて言われてしまいます。

 

「自分らしさ」と「自分勝手」を子どもたちに教えるのは、なかなか難しいですね。しかし、子どもたち同士のかかわりの中で、学んでいくものかもしれません。