食品ロスを減らす

私たちが良く使う「もったいない」という日本語は、今や世界共通語になっていることをご存知ですか。食事を残した我が子に「もったいないお化けが出るぞ!」と言ったことがありますね。

 

環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさんが、2005年の来日の際に感銘を受けたのが「もったいない」という日本語でした。そして、この言葉を世界に向けて「MOTTAINAI」として発信し、広めたことで、世界共通語にまでなっているのです。

 

私たちは、冷蔵庫の食品を期限切れにさせて、何度も廃棄させていますね。食べ残しも含めて、まだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品ロスは、国内だけでも年間約621万トン発生しているといわれています。

 

これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量約320万トンの約2倍に匹敵する量です。そして、食品ロスのうち約半分は一般家庭から発生しています。主な原因は、買い過ぎによる「消費期限切れ」、作り過ぎによる「食べ残し」、野菜の皮のむき過ぎなどによる「過剰除去」だそうです。私たちは、大いに身に覚えがある内容ですね。

 

買い物前に冷蔵庫の中をスマホで撮影して在庫チェック・・・半分、1/4など残っている食材から使う・・・野菜や果物の皮は厚むきしない・・・などの対策が有効だそうです。

 

そして、今話題なのが、「フードバンク」活動です。全国で30以上あるフードバンクの団体では、包装の破損や印字ミス、賞味期限に近づいたなどの理由から、品質には問題ないにもかかわらず廃棄されてしまう食品を企業や個人から引き取り、必要としている福祉施設などへ無償で提供しています。企業にとっても、廃棄に伴う費用削減と、企業イメージアップにつながるという考えです。

 

1960年代、アメリカアリゾナ州のフェニックスのスープキッチンでボランティア活動をしていたジョン・ヴァン・ヘンゲルさんは、ボランティア先のシングルマザーから、まだ食べられる食品がスーパーで大量に廃棄されていることを聞いたそうです。ヘンゲルさんはスーパーにこうした食品を寄附してもらうよう交渉するとともに、地元の教会に食品を備蓄する倉庫を貸してくれるよう頼んだ。こうして1967年、倉庫を提供した教会の名を採り、「セントメアリーズフードバンク」が誕生したのが、フードバンクの起源と言われています。

 

食品ロスを出さない・・・ゴミを出さない・・・今さらですが、ライフスタイルとしては、当たり前の「かっこよさ」です。「食べられる量だけを作り、完食する生活」を今より、少しだけ意識的に行うことにしてみませんか。