稼ぐ農業

あの近畿大学の「近大マグロ」は、世界で初めて成功した完全養殖のクロマグロです。幕張メッセで、今日まで開かれている「『日本の食品』輸出EXPO」に、この近大マグロと完全養殖ブリのブースが出展し、海外の多くの食品バイヤーの舌をうならせるシーンをニュースで見ました。

 

品質の高い国産農産物を海外へ輸出する動きは年々広がっています。政府は、農林水産物・食品の輸出額を東京オリンピックの前年、2019年に1兆円に増やす目標を掲げています。昨年2016年は、7502億円だそうです。

 

目標達成には「稼ぐ農業」をどう育てるか・・・がポイントになりますね。

 

日本は、食の自給率が他国と比較しても、極端に低い国です。しかし、米だけは、需要に対して供給が上回り、「米余り」となっていました。そこで、約半世紀にわたってコメの生産調整(減反)が行われていました。

 

「米を作らないで・・・そのかわり、国がお金払うから・・・」これが、減反です。ところが、この減反は、2018年に廃止されます。また、家畜のエサとなる飼育用米に転作した農家にも、国から補助金が発生しています。

 

これからは、国の補助金頼りだった農家は自らで「稼ぐ力」を求められるのです。

 

最近は、「農業で稼ぐ」取り組みに成功している、農家や酪農家にスポットライトが当たることが多いですね。農作物を作るだけなら1次産業・・・それだけでは「稼ぐ」事にはつながらないと、農産物を使った商品開発やレストランなどのサービス業まで、幅広い展開をし、1次産業×2次産業×3次産業=6次産業化をうたうところも出てきました。

 

では、日本の農業が、未来に向けて、「稼ぐ農業」になるためには・・・農家に頑張れ!と言っているだけでは、前には進みません。ここは、官民が力を合わせねばなりませんね。

 

やる気のある若者が、たやすく農業にかかわることができる仕組み作りや、海外への販路拡大は、行政の仕事でもありますね。私たち日本人は、国産のおいしい野菜や果物をあたりまえのように食べていますが、世界の人たちにも「おいしい!」を味わってもらい、日本の農家が「稼ぐ農業」として、日本支える力となってもらいたいですね。