もりのなか

今日は、保育園のピアノの調律がありました。調律師の方がやってきて、黒いピアノの中を開けます。まだ、ママのお迎えを待っていた園児たちが、不思議そうな顔をしてピアノの中を覗き込んでいます。

 

「せんせい・・・ピアノの中って、なんだか、たくさんの木があって、もりのなかみたい・・・」と園児が言いました。子どもたちの好奇心が広がります。

 

ということで、今日は、50年以上前の1963年に出版された名作「もりのなか」という絵本の話です。

 

紙の帽子と新しいラッパを持って、森へ出かけた男の子。

次々に出会う動物たちが、さんぽの列に加わります。

ライオンの次は2ひきのゾウ、そしてクマにカンガルー、コウノトリ……
みんなおめかしして、お気に入りのおやつを持って。

さあ、ラッパを吹いて、動物たちと一緒に森のおさんぽ!

どんどん長くなっていく行列。
森中に楽しげな演奏の音色が響きます。

ちょっとテーブルでひとやすみ。
おやつを食べたらみんなで遊ぼう!

ハンカチ落とし、ロンドン橋落ちた。
そして最後は、かくれんぼう。

「もういいかい!」
鬼になった男の子が目を開けると……

そこには、パパがいて、現実の世界があり、動物たちは消えてしまっています。

 

こんなストーリーです。絵本と言っても、白黒で描かれたとても地味な色合いです。しかし、子どもたちの想像力を引き立てる不思議な絵本です。私たち大人でも、暗闇の中は、少し怖いけどワクワクしますね。

 

保育園では、毎年夏にナイトツアーを行いますが、今年は蛍を見に行きました。蛍の光を見つけるので、まさに暗闇を歩いた記憶がよみがえります。

 

子どもたちは、怖い気持ちよりも、蛍を見たい好奇心が強かったですね。子どもたちの、想像力、好奇心を引き出すのには、非日常の「暗闇」・・・効果があるようです。(笑)