ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由

テレビ番組などで紹介されたことがあるので、ご存知の方が多いかと思いますが、東京・神保町にある「未来食堂」は、お店で50分働いてもらえば定食代金が無料になるという店です。それでも、黒字経営を続けているといいます。

 

カウンター12席の未来食堂には従業員はいません。店主である「小林せかい」さんと「まかない食」を食べるお手伝いさんだけだそうです。

 

「昼食代を浮かせたい」など様々な理由で大学生を含む延べ500人以上が手伝ったそうです。「勤務時間」はホームページで確認し、初めてでも効率よく働けるマニュアルもあります。まかないをした人が自分で食べず、誰でも使える「ただめし券」を入口に貼ることもあるそうです。

 

「限りある善意です。出来ることなら、今日のあなたは貼る側であって下さい」というメッセージが「ただめし券」のボードに書かれています。

 

店主の小林せかいさんは、日本IBMでエンジニアとして働いた後、料理レシピサイトを運営するクックパットに転職・・・社内にはキッチンがあって、誰でも自由に料理をし、食べることができたそうです。その後、大手外食チェーンなどで修業し、「未来食堂」を開きました。

 

この普通じゃない食堂を考えたのも、彼女の様々な社会経験が生きているのでしょう。「毎日は、ゴールではなくスタートなのです」と彼女は言います。人生は、思い通りにいかないことが多いけど、途中で軌道修正すればいいと言います。

 

ユニークな事がたくさんあるのですが、ホームページに決算報告まで掲載しています。ちなみに、10月度の決算報告は、売上高1,136,500円から売上原価(食材費)233,839円を引いた売上総利益が902,661円です。

 

この金額から、アルバイトなどの人件費はないものの、家賃や水光熱費などを引くと、決してボロ儲けとはいかないでしょうが、充実した生き方であることは、間違いないですね。

 

保育園の子どもたちが、自分で考えて、今までにない新たな仕組みで、こんな事業を展開するようになったら、うれしい限りです。しかし、そこには、様々な困難や遠回りの人生があるのかもしれません。でも、楽しいことだけは間違いないですね。