かっこいい農業

今日の連絡ノートには、「昨日は花見に行きました」がとても多かったですね。日本人の桜を愛でる本能のようなものは、ずっと、子どもたちへ引き継がれていくのかもしれません。心に残る幼児体験の一つが、お花見ですね。

 

さて、埼玉県熊谷市にサツマイモ専門店「芋屋TATA(タタ)」という、おしゃれなカフェのような店があります。そこでは、時間をかけてじっくり焼いた焼き芋や干し芋、芋を練り込んだソフトクリーム、芋のジャムなどを製造販売しています。

 

材料のサツマイモは、店主自身で生産し、農業のイメージ向上にこだわり「農業をかっこいい職業にして、従事する若者を増やす。それが自分の使命」と言い切ります。

 

まだ30代の若い店主は、元証券会社のディ―ラーとして、毎日億単位の株を売買していたそうです。しかし、2008年のリーマン・ショックによる低迷をきっかけに、日本の将来に不安を感じ、祖父の所有する耕作放棄地を開墾し、農業を始めます。

 

「自分が農業を変えたら、後継者がふえるんじゃないか」という熱い思いで取り組みます。しかし、最初は作った芋を軽トラックに積み、移動販売をするも、ほとんど売れなかったそうです。「生じゃダメだ!」と思い、加工施設の整備や新商品の開発などを続け、今では、年間で生産する約70トンのほとんどを自ら経営する「芋屋TATA」やインターネット販売で売り切るそうです。

 

店舗の営業は、10月から4月いっぱいまでで、5月から9月までの5カ月間は、農業に専念するという1年間のサイクルだそうです。営業中は「人間界で営業中、銭ゲバ化」とうたい、農業中は「営業終了!畑で野生化、心の洗浄」とかっこいいライフスタイルをアピールする店主です。

 

かっこいいのは、見た目の追求ではありません。お客様の期待に応える、目標を実現するなどの行動も含まれると店主は語ります。

 

「俺のやってる農業・・・かっこいいでしょ」って言える人は、まだ日本には少ないでしょう。こんな若者が、日本の農業を変えてくれるのかもしれません。