親子一緒の時間

昨日、バッタやイナゴを10匹ぐらい保育園に持ってきた4歳男の子。「自分でつかまえたんだぜ!」とドヤ顔で、他の園児に自慢をします。昨日、今日と園児たちがじっくりと観察できたので、男の子に「バッタを屋上に逃がそう」と言いました。

 

予想通り「え~いやだよ」「何で、逃がさないといけないの?」の反応です。

 

「このバッタたちは、今幸せだと思う?もともと、どこに住んでいたの?逃がすかこのまま飼育ケースに入れておくか、じっくり考えてみて?」と男の子の答えを待つことにしました。しばらく考えて「ここじゃ狭いよね~やっぱり屋上の草の中に逃がそうよ」と言ってくれました。

 

そんなやりとりがあって、子どもたちで、屋上のスイカ畑にバッタたちを逃がしました。「元気でね~」なんて、声をかける子供たちです。

 

さて、今日はある方の子どもの頃の思い出話です。

 

「私が小学校低学年の頃、住んでいたアパート横の小さな庭の片隅に、仕事から帰ってきた母と一緒にラディッシュの種をまきました。日が傾き、夕食の支度をしたかったであろう母が、学校からもらってきた種をまきたいという私の願いを聞き入れ、一緒の時を過ごしてくれました。そのことがよほどうれしかった私は、それから毎日水を掛け、約3週間で育つラディッシュの様子を毎日楽しみに下校したものです。母と一緒に収穫した採れたてのラディッシュを食卓に並べ、少しほろ苦かったのですが「おいしいね」と言い合って食べたことが、映像のように今でも鮮明に浮かんできます。」

 

この方は、大人になっても赤いラディッシュを見ると、その時のことを思い出すそうです。

 

子育て真っ最中の保護者にとって、親子一緒の時間は、長い方がいいと思われがちですが、働くママやパパには、子どもと24時間一緒というわけには行きませんね。たとえ短くとも、こんな素敵な親子の時間が作れたら最高です。

 

親子一緒の時間を大切にすることは、ただ長く一緒に過ごすことではありません。子どもが、親を必要とする時に耳を傾けることが大事なのかもしれません。どんなタイミングなのかは、親子でないとわからないのが、難しいところでもありますね。