「10の姿」をどう活用するか

今年度から保育所保育指針が改訂となり、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として、10の具体的な姿が新たに明記されました。

 

以前、このブログでも触れていますが、もう一度おさらいします。

①健康な心と体

②自立心

③協同性

④道徳性・規範意識の芽生え

⑤社会生活との関わり

⑥思考力の芽生え

⑦自然との関わり・生命尊重

⑧数量・図形、文字等への関心・感覚

⑨言葉による伝え合い

⑩豊かな感性と表現

 

各保育園では現在「園生活の中でいえば、こうした姿かな」「うちの園なら、こういうことだね」といった確認をしている時だと思います。

 

ホワイトきゃんばすでも、「10の姿」に、子どもたちの活動画像を添えて、春の保護者会で話をしました。そして、9月に行う保護者面談では、年長園児を対象に「10の姿」について、保護者とすり合わせをします。

 

もうお分かりかと思いますが、この「10の姿」は、小学校に入学するのに必要なスキルではありません。大きくとらえれば、大人として社会に出るにあたって、求められる姿でもあります。小学校入学時に、「10の姿」が完璧な園児などいません。小学生になっても、継続して学んでいく内容なのです。

 

ホワイトきゃんばすでは、今年度の卒園児7名が進学する小学校へ、この10の姿を中心に、個々の園児の活動内容を引き継ぎます。「できる・できない」という評価ではありません。「〇〇君は、こんな言葉で、説明ができた・・・」などの、具体的な行動を見ていきます。

 

こうして、各保育園、幼稚園での「10の姿」の活用が進むようになれば、小学校の教員は、これをどう受け止めて活用していくかが議論されるようになるでしょう。そして、小学校レベルの「10の姿」の実践が進んでいくものと考えます。

 

保育園・幼稚園から小学校、中学校、高校と子どもたちが進学していくのに、環境が変われば、学習がリセットされることではありません。子どもたちは、継続して学び、成長していきます。

 

こう考えると、保育園でスタートした「10の姿」が小学校、中学校、高校へと引き継がれていくのが、教育の自然の流れだと思っています。

 

ともあれ、まだ、今年度が初年度の取組みです。言葉遊びではなく、しっかりと子どもたちの姿をとらえていくようにします。

 

目的は、子どもたちが「自分で考えて自分で答えを出せる人になる」ことです。