授業記録を取る

サラリーマン時代、それなりの規模の会議では、議事録を取るのが当たり前になっていました。団体交渉も、議事録を労使でお互いに確認してから、リリースされます。民間企業に限らず、公務員も含めて、議事録を取ることは多いですね。

 

「今日の会議は、議事録を取らないから、本音で話してくれ!」とやった経験もあるでしょう。

 

それに比べると、先生は、自分の授業を記録に取ることは、まずありません。予備校の先生は、人気商売ですので、授業内容は常にビデオで監視されていますが、一般の先生は、研修などで、先輩の授業を見学する機会はあっても、自分の授業の記録はしませんね。

 

他の組織なら、「いいものはマネする」がセオリーですが、学校の先生は、過去の素晴らしい授業も、遺産としてあまり残っていないのです。まことに、もったいない話ですね。

 

東京都品川区のある小学校の校長先生は、校内の教員の授業を頻繁に観察しているそうです。校長先生の記録メモは、3色ボールペンを使って、授業の流れをメモするそうです。

 

教師の働き掛けは「黒」、子どもの言動は「赤」、授業のポイントは「青」で色分けし、何時ごろにどの活動に入ったのか、時間も併せて残しておくそうです。メモ取りで意識するのは「子どもたちの立場になったとき、授業がすーっとながれているか」だそうです。

 

「子どもたちが先生の話を集中して聞き、夢中になって活動できていれば『良い授業』といえます」と校長先生は言います。

 

これからの「良い授業」は、子どもたちが主体的に学び合えるかどうか・・・例えば、アクティブラーニングのような形態が多くなっていくことでしょう。先生の授業力が問われます。

 

自らの授業を検証し、さらに、他の授業を参考にしながら、さらに授業のスキルを上げていく・・・今まで一国一城の主といわれた、先生の授業も、授業記録を取るなど、変わっていかねばならないのです。

 

「オレ流」は大いに結構ですが、良い事をマネすることは、決して恥ずかしいことではありません。積極的に自分に取り入れていきたいですね。