子育て意識の国際比較

世界は広いので、当然子育て意識も各国で違いが出てきます。今回は、社会的文化的背景が違う4か国の比較したデータを見てもらいます。6歳の子どもを育てる母親という設定です。

 

母親の有職率は、日本34.3%・中国90.0%・インドネシア19.2%・フィンランド84.5%となっています。日本の有職率は、ますます増える傾向にありますが、中国やフィンランドなどは、母親も仕事をするのが当たり前の国といえます。

 

次に、親の子育て意識について・・・これは、国によって考え方の相違がみられ、興味深い内容になっています。

 

日本・・・自立、生活習慣、協調性を重視。他人に迷惑をかけないことを願う比率が高く、将来の社会を担うという意識が低い。

 

中国・・・子どもへの進学期待が4ヵ国中最も高く、習い事に通う比率も高い。また、80%以上の親が、子どもを自分とは独立した人格と捉えている。

 

インドネシア・・・イスラム教の影響を受ける。家族意識や家系継続意識が非常に高く、自分より子どもを優先する。子どもへの進学期待も高い。

 

フィンランド・・・80%以上の親が、子育てとともに自分の生き方を大切にしたいと考え、母親が常に一緒でなくても愛をもって育てればよいと考えている。

 

もちろん、その国のすべての親が当てはまる内容でないことは、言うまでもありませんし、どの国の考えが正しいというものでもありません。しかし、日本のデータで、気になる項目がありました。

 

「子どもを将来の社会を担ってくれる存在として考えていますか?」

 

に対して、中国51.8%・インドネシア55.6%・フォンランド48.3%ですが、日本は、たった15.2%です。また、子どもに対する期待度調査でも、「社会のために尽くす人」という回答も3.5%と、これも一番低いそうです。

 

この数字から考えると、残念ですが、日本人は、子どもを社会に貢献する存在として捉える意識が低いと言わざるを得ません。

 

未来をつくっていく人物は、私たち大人ではなく、子どもたちです。AI化によって、今ある職業の半分以上が、ロボットなどの人工知能に代わられると言われますが、今はない、大人では想像もできない新しい仕事を、今の子どもたちは、必ずつくっているはずです。

 

もう一度、私たち大人は、よく考えないといけません。子どもたちは、明日の世界を・・・未来をつくる存在なのです。