教員志望者が減る

昨年度の教員採用試験では、高校教員7.7倍(0.6ポイント増)・中学校教員6.8倍(0.6ポイント減)・小学校教員3.2倍(0.3ポイント減)という競争率だそうです。専門教科を担当する高校や中学の競争率に比べて、オールマイティの小学校教員の競争率は低いですね。

 

保育園は、卒園児が小学校に就学するので、必然的に小学校との関りが深いのですが、「教科書を年間スケジュールの中で終らせなければならない・・・」「地域や様々の保護者対応が大変・・・」「クラスの児童の、どの学力レベルに合わせて授業をすればいいのか・・・」などなど、自立が進んだ中学生や高校生のようにいかない小学生を相手にすることを敬遠する傾向です。

 

小学校の教員採用試験の競争率は、平成12年度には12.5倍もあったそうですが、昨年度が3.2倍とここ数年で、激減しています。最近若者が良く口にする言葉に「コスパ」があります。勤務時間が長いわりには、賃金が少ない・・・つまり「コスパが悪い」仕事と思われているようです。

 

私が10年ほど前に、PTA活動をさせてもらっていたこともあり、2年間さいたま市の小学校教員試験の面接官をしたことがありました。さいたま市は、校長先生・教育委員会担当・民間人の3人で、面接をします。民間人が採用試験に関わる目的は、「一般社会や世の中の目で人物評価をしてもらいたい」ということです。

 

当時は、競争率が高かったので、受験生の「教員になりたい・・・子どもたちとかかわる仕事をしたい」という純粋な受験生が多かったですね。

 

「志高く能力のある人材が教師の道を選び、我が国の学校教育がさらに充実・発展するためにも、学校における働き方改革を進め、教員の魅力を高めることの必要性は待ったなしの状況です」と、先日文部科学省が述べていますが、まったくその通りですね。

 

ユニセフなど様々な支援団体が一番に掲げることは「子どもたちに学校を!」です。子どもたちが教育を受け、やがて大人になって、自分たちの力で国を良くしてもらいたい・・という考えです。物理的な支援も大事ですが、最後は、その国の子どもたちに期待をするのです。

 

日本は、義務教育制度の下で、学校に行くのが当たり前ですが、もう一度、教育の大切さを・・・子どもたちが学び合うことの意義を・・・私たち大人も若者も考えないといけません。