小学校で教科担任制が進む

ダイヤル171をご存知ですか。171(いない)のゴロ合わせで覚えている人もあろうかと思いますが、NTTがおこなっている「災害用伝言ダイヤル」です。毎月1日・15日に体験利用ができるので、昨日は、保育園からのメッセージを聞く練習を保護者にしてもらいました。

 

すべての保護者が、初めて「171」を利用しました。本音では、このダイヤルを使用しないことを祈るばかりですが、万が一の時に、子どもたちの状況や避難場所を保護者に伝える必要があります。これも練習です。月に一度は、体験の日を続けたいと考えています。

 

さて、2016年度での文部科学省の調査によると、教員一人当たりの平均授業時間数は、学級担任制が一般的な小学校は週23.7コマに対し、教科担任制をとる中学校は17.5コマだそうです。数字上では、小学校の先生の負担が大きいことがわかります。

 

そんな中で、北九州市では、多くの公立小学校の5、6年に、教科担任制を取り入れているそうです。例えば、ある5年生は3クラスあり、国語は1組の担任、算数は2組の担任、社会科と音楽は3組の担任がそれぞれ、全クラスの授業を行います。

 

先生が授業をしていない時間は「空き時間」となり、宿題のチェックやこれまで放課後に行っていた保護者との連絡帳の確認に時間が取れるようになったそうです。増員された専門教員もあり、5年生の担任は、週7コマの空き時間が確保されたそうです。

 

担任の先生が、子どもと接する時間が減り、細かな変化に気付きにくくなるという指摘もあるそうですが、一人の担任が気が付かなかった児童の長所や能力を他の教員が見いだすきっかけにつながっているそうです。

 

ホワイトきゃんばすの異年齢保育も、先生全員で異年齢の子どもたちを見るのですが、それぞれの先生の見方が、必ずしも一致しません。一人の園児の長所を多くの先生が、違う視点で見ることができるのが、大きな効果だと考えています。

 

小学校は、2020年度には、英語の教科化やプログラミング教育の必修化で、ますます教員の負担が増していくことが考えられます。中学、高校の教員志望に比べて小学校教員の人気が低い要因であるとも言われています。

 

小学校の働き方改革については、様々なアプローチが行われていますが、教科担任制は、子どもたちにとって、多くの先生の授業が経験できることが、大きなプラスと言えます。今後、広がっていくことでしょう。

 

専門性を磨くことは、教員のスキルアップにも必ずつながっていくと思っています。