スポーツ界にも「ゆる」の風が来た

全国あらゆる自治体で、ゆるキャラブームが起こり、今は少し落ち着いたところですね。今度は、スポーツにも「ゆる」の風が吹いているそうです。

 

この秋にラグビーのワールドカップが日本で開催されますが、「イモムシラグビー」は、カラフルなコスチュームを着て、ごろりと寝ころべば気分はイモムシ・・・ほふく前進したり、ゴロゴロ転がったりしながらラグビーボールをつなぐ競技です。

 

「ハンドソープボール」は、ハンドソープをつけた手でハンドボールをするユニークな競技です。ハンドボールが上手い人が活躍するとは限りませんね。

 

「ブラックホール卓球」は、ルールは普通の卓球ですが、ラケットの真ん中に穴(ブラックホール)が開いていて、ボールが美しく穴を抜けたら「ナイスホール!」と声をかけてたたえ合うそうです。

 

「承認フェンシング」「イタイッス」「緩急走」など、まだまだたくさんあるそうですが、この「ゆるスポ」は、広告会社に勤務する中堅の男性社員が、2016年に「世界ゆるスポーツ協会」を立ち上げて、いまではイベントチケットも完売する人気ぶりで、これまでに10万人が参加したそうです。

 

こんなの・・・スポーツじゃないよ!と思ったあなた・・・ちょっと待ってください。

 

「たとえ『勝っても負けてもいいよね』とゆるい気持ちで競技に臨んだとしても、そこで勝つとその自信が日常にも生かされる。今まで得られなかった勝利体験を味わえることができる」といいます。また、障がいがあっても複数種目に気軽に参加できるので、パラ競技よりもハードルが低いのです。

 

スポーツには、どうしても「勝ち負け」にこだわるところが大きくなりますが、本来は「気晴らし」「遊ぶ」「楽しむ」などの意味があります。「勝ったらうれしい・・・負けても楽しい・・・」というゆるスポーツが広まれば、スポーツ弱者も少なくなることでしょう。

 

私たちの中で、競技でメダルを争うような、勝たねばならないアスリートは、ほんの一握りです。負けても楽しいスポーツが、広まることは決して悪いことではありませんね。