「紫雲丸」沈没事故

今週もプール開きが微妙な天気が続いています。今日は、薄日が差したものの、気温は低いままで、とても、プールを楽しむような状況ではありません。それでも、子どもたちは、トマトを収穫し、虫取りに夢中です。バッタを飼育ケースに入れてしばらく観察します。カエルもつかまえたので、保育園のイモリの水槽に入れて観察します。両生類同士で、どんなかかわりがあるのか、興味がありますね。

 

さて、今日は、プールの話です。全国の小学校や中学校に当たり前のようにプールが設置され、体育科目で水泳が必修種目として、子どもたちが指導を受けます。実は、これには、悲しい理由があるのをご存知ですが。

 

昭和30年5月11日・・・戦後10年が過ぎた日本で、「紫雲丸(しうんまる)」沈没事故が発生しました。今は、瀬戸大橋が本州と四国を結んでいますが、当時は、国鉄が「宇高連絡船」を運航していました。

 

その「紫雲丸」に、小学校3校、中学校1校の4校の児童生徒が、修学旅行で乗船していました。当時は、深い霧に包まれ、前方からやってきた「第三宇高丸」と衝突し沈没したのです。時間は、朝の6時56分でした。

 

大人を含め168名が犠牲になる大惨事となったのですが、100名の小中学生が命を落としました。子どもを助けに海に身を投じた先生、泳ぎが得意な先生は幾人もの子どもを水中で支え、力尽き、海に消えたことも伝えられています。

 

犠牲となった子どもたち100名のうち、81名が女子だったそうです。伝えられている話では、事故当時、多くの男子は、甲板に残っていたのに、女子は自分の船室に戻ったそうです。その理由は、今も分かっていません。

 

この話をしたのは、小学校や中学校のプールを前にして「紫雲丸」沈没事故を思い出しなさい・・・ではありません。プール活動は楽しい時間ですが、一歩間違えると命を落とす危険があることを忘れないためです。

 

保育園のプールは、天気が回復すれば、すぐにでも始まります。水遊びを通じて、子どもたちの笑顔が屋上に広がります。と同時に、安全対策もしっかりと行わないといけません。