子どもに失敗をさせない親

今日、来年度の入園希望で見学に来たママ・・・埼玉県本庄市出身です。屋上の桑の木を見て「私が子どもの頃は、学校帰りに、桑の実を食べながら帰っていました」と言うのです。正統派美人ママらしからぬ、ワイルドな体験を聞かせてもらいました。(笑)

 

さて、今日は、平日の朝に親から学校にかかってくる電話の話です。

 

①「中間試験の結果、うちの子悪かったですよね?それで、毎日、補修されてるじゃないですか?うちの子、もう補修続きで学校行きたくないって言うんですよ・・・」

→補修をすることで落ちこぼれを作らせないというこの学校方針を気に入って子どもを入学させた保護者だが、考えが変わったらしい。

 

②「もうすぐ、校外学習があって、現地集合じゃないですか。うちの子、一人で行けないんですけど、学校では、どう対応してくれるんですか?」

→典型的な過保護の保護者

 

③「中3男子の父親から、『担任はいるかい?』と言われ、電話に出た教頭が『あいにく現在、離席しています』と返答すると『校内には来ているのかい?』とさらに聞かれたので『どうかされましたか?』と言うと、『うちの子が友だちから悪口を言われた・・・らしいんだよね』と。

→当事者である子どもの話はあまり聞かず、子ども同士のトラブルを知ってヒステリーを起こしている妻の話を鵜呑みにして、一直線に学校へクレームを入れる保護者

 

④「先生、聞いてくれます?うちの子(中3女子)ったら、夜は10時には寝ちゃうので、ろくすっぽ勉強もしないし、成績はさがっちゃうし。なんとかしてください!」

→わが子の成績のこと以外に興味がなく、教員に対して学校外でも働くことを強要する保護者

 

⑤「うちの子、朝起きないんですよ~」

→子どもを起床させるのは学校の仕事だとでも思っている保護者

 

これは、ある中学校で実際に保護者から電話があった内容です。これを読んで「とんでもない保護者だ!」と思っても、反面教師にしてもらってもかまいませんが、最近の親に増えてきた傾向が「子どもに失敗をさせない」ことだそうです。

 

「何言ってるんだよ・・・子どもは、失敗することで、学び、成長するものじゃないか。失敗や自分の思い通りにならないことをたくさん経験することで、人間として、より深く相手のことを考えられるようになるんだよ・・・」と思ったあなた。はい、正解です。

 

もちろん、子育てに「正解」も「不正解」もなく、子どもそれぞれ違うものですが、相手の悲しみを理解するには、自分も悲しい経験がないとできませんね。思い通りにいかない経験が「次はこうすればきっとうまくいく」というアイデアを生むのです。

 

わが子が何か失敗すれば、そのまま負け組になってしまうと考える親たちは『もっとうちの子に対するケアをして』と、些細なことでも学校にクレームを入れるといいます。教員もたまったものではありませんね。

 

日本は、一部の親にそう思わせるような社会になってしまったのでしょうか。

 

保育園では、保護者とのかかわりが蜜ですので・・・あらためて、子どもは失敗から多くを学ぶことを伝えていきます。

 

そうだ、失敗から学ぶのは、私たち大人だって同じだ!(笑)