認知症「おやじ」66歳のCDデビュー

昨日から、さいたま市内の小学校は2学期がスタートしたので、保育園には小学生の姿がありません。朝の9時30分に、今まで自由に遊んでいたおもちゃや絵本の「お片付けタイム」となるのですが、小学生がいなくなると、3倍くらいの時間がかかります。いかに、卒園児の力が凄かったとも言えるし、卒園児におんぶに抱っこの園児たちとも言えます。ここは、少しずつスピードアップされることでしょう。

 

今日は気温が低いのでプールはなしで、屋上遊びです。子どもたちとインゲン豆の種を採集しました。

 

種まき→収穫→食べるまでは、子どもたちは経験していますが、種がどうやってできるのか・・・茶色くカサカサになったインゲン豆のさやの中に、白い種があることを知ります。この種を蒔くと、インゲン豆の芽が出ることを想像する子どもたちです。

 

さて、今日は認知症の話です。決して暗い話ではありません。

 

まだ56歳の男性が、30分でできた事務作業に2時間もかかり、ミスを繰り返すようになります。会社の勧めで病院へ行くと、アルツハイマー型認知症と診断されました。

 

「普通の人生を歩んできたつもりなのに、まさか自分が・・・」と愕然とします。簡単な仕事にしてもらっても60歳で退職します。しかし、この男性はギターの弾き語りを趣味にしていたこともあり、自分が通う介護施設の社長に「沈み込む話が多くて雰囲気が暗くなっちゃうから、ここでギターを弾いてよ」と頼まれます。人生の転機となったのです。

 

その後、認知症関連の講演会や商店街のお祭りなどで開いたライブは、2年で100回を数えるそうです。そして「人と人とのコミュニケーションで大事なものは、認知症の人も、そうでない人も、みんな同じ」という思いから「ミンナオナジ」というタイトルのCD

デビューを成し遂げたのです。

 

この男性の奥様は、「10分前のことを忘れてしまうのに、挑戦すれば新しくできるようになることもある」と、夫が自分の希望になったそうです。

 

どうですか・・・素敵な人生ですね。認知症については、まだその発症原因など、不明な事ばかりで、「認知症になったら人生おしまい」という風潮もあります。私の父も、もう高齢ということもありますが、月に一度は認知症外来に通っています。もう戻ることはありませんし、家では同じ話を何度もします。今日が何日で何曜日なのかさえ分かりません。

 

しかし、これからの時代は、「元気に長生きする」ことが大切です。認知症の診断を受けたとしても、この男性のように「社会の一員として、楽しみながらチャレンジする」人生でありたいものです。