「出る杭」を支える

昨日のさいたま市保育園「実践報告会」では、ありがちですが、課題を話し合い、今後どうしていくかという大事な結論で、「今後もさらに子どもに寄り添った保育をしていきたい」「保育園でできることや強みを具体的にあげて、明日からの保育につなげていきたい」というまとめです。

 

子どもに寄り添う保育って、あなたの保育園ではどうするの?

この発表で、具体的な策を報告するんじゃないの?これから対策を立てるって、何なの?と、私でなくても、会場の人たちは悶々としています。

 

そこで、総評をしていただいた玉川大学の教授が、「今後の課題」ということで、発表園の報告内容へ苦言を呈します。今までの総評では、「素晴らしい発表でした」で終ることが多かったのですが、昨日は、スッキリです。

 

この保育実践報告会を通じて、様々な情報を共有し、さいたま市の保育の質を上げる目的があるのですから、当然、「素晴らしい発表でした」だけでは前に進みませんね。

 

さて、私が新入社員の頃には、「いいか・・・新人があんまり目立つんじゃないぞ・・・出る杭は打たれるって言うだろ。上手や先輩をたてるんだぞ・・・」といったアドバイスをよくもらったものです。

 

学校教育も、できるだけ、みんなと同じである事が求められ、人と違うことが悪いことのように考える風潮が大きかったことは否めませんね。

 

時代が変わり、「出る杭が打たれるのではなく、個人の個性が強みに変換され、多様な価値が許容される仕組みが重要であり、出る杭が次々と育ち、成長していく仕組みが求められている」という考えが、どちらかというと主流になっています。

 

しかし、いじめに見られる仲間はずれや集団で無視をされる行為は、異質なものを排除する気持ちの具現化とも言われています。まだまだ、日本には、社会でも学校でも「出る杭は打たれる」という風潮が残っているのが現実です。

 

しかしながら、少しずつ、「出る杭」育成の動きが、学校においても生まれ始めています。起業家育成教育を積極的に行う大学や、先進的な理系教育を実施する高校では、学習指導要領によらないカリキュラムの導入も進んでいるそうです。

 

私たち大人は、「出る杭」を支える土壌が、これからは必要になることは、理屈では分かっています。しかし、みんなと違う子どもをなぜか、同じにしたがります。

 

これは、大人の意識改革・・・「個性いろいろ」「出る杭大いに歓迎」をもっと、受け入れる度量が試されているのです。あなたは、どうですか。