人類の壁

今日は天気となったので、30メートル走をやりたい園児が集まります。4人の園児が、自己記録を更新しました。まずは、今までの自分を超えることが大切ですね。

 

さて、短距離の世界の花形は、100メートル走です。1960年に西ドイツのアルミン・ハリー選手が10秒0を記録してから、この記録が破られるまでに、8年という長いの時間がかかりました。100メートル10秒の壁をいつしか「人類の壁」と呼ぶようになったのです。

 

1968年にアメリカのジム・ハインズ選手が9秒95の記録を出すのですが、この当時は、手動のストップウオッチを使用していました。また、高地記録として扱われました。

 

その後、平地で記録公認の条件とされた電動時計で「人類の壁」が破られるまでは、さらに時間がかかりました。

 

1983年にあの有名なカール・ルイスが、9秒97を叩き出します。これを機に、1980年代には、多くの9秒台のアスリートが登場しました。現在の世界記録は、2009年にジャマイカのウサイン・ボルト選手が出した9秒58です。

 

日本人にとっての、100メートル9秒台の壁は、カール・ルイス選手から遅れること34年後の2017年に桐生選手が9秒98を記録し、その後立て続けに、サニブラウン選手、小池選手と9秒台が続きました。

 

また、競泳の世界でも、自由形50秒という記録は、1976年にアメリカのジム・モンゴメリー選手が49秒99を記録するまで、長い間「人類の壁」となっていました。その後、何人もの選手が50秒を切る記録を出しています。現在の世界記録は47秒05です。

 

長い間100メートル10秒・競泳100メートル50秒という「人類の壁」が破られなかった理由は、何だったのでしょうか。

 

それは、人間自らがこの記録を「人類の壁」と呼んでしまったからかもしれませんね。

 

私たち人間は、時に「自分には無理」と自分の「壁」を作ってしまう事があります。アスリートにとっても、記録に挑戦するものの、「人類の壁」の意識が潜在的にあったかもしれませんね。

 

私たち大人は、すぐに「壁」を作って諦めてしまいますが(笑)・・・子どもたちには、限りない可能性が広がっています。私たち大人が、子どもの壁を作ってはいけませんね。「あきらめないでがんばれば、きっとできるぞ!」と言い続けることです。