韓国の「漢字」事情

日本では、小学校で計1006字の「漢字」を教わります。保育園でも、卒園児が「この漢字はまだ習っていない・・・」とよく言っているので、漢字についての意識はとても高いですね。子どもたちは、自分の名前には漢字が使われているので、日本人にとっては、漢字は日常の中に、当たり前にあるものですね。

 

お隣の国、韓国では、日本語のひらがなやカタカナに相当する表音文字「ハングル」だけで読み書きする習慣が定着し、実生活で漢字を使う場面はほとんどないそうです。

 

もともと、韓国政府は1948年の建国以来、日常生活で漢字の使用を控える「ハングル専用」制作を進めました。日本の植民地支配から解放され、民族固有の文字であるハングルへの自負心が強まったことや、経済発展に向けた識字率向上の狙いが背景にあったようです。

 

また、1987年の民主化を機に全文ハングルの「ハンギョレ新聞」が創刊され、新聞各紙から漢字が姿を消すようになったのです。しかし、2016年には漢字推進派の主張を踏まえて漢字300字を小学校の教科書に記載する方針が決まりました。ところが、児童の負担増大などへの懸念が強く、翌年に撤回されるなど、漢字は、今も韓国世論を二分するテーマとなっているようです。

 

そんな中、一部の小学校では、放課後の特別授業に漢字を取り入れる動きが始まったようです。「あ、学校の『校』」「おじいちゃんの『祖』だね」と子どもたちの元気な声が響き、ある6年生の児童は「記憶力が上がり。韓国語への理解も深まった。中学に進んでも漢字の勉強を続けたい」と話します。

 

漢字は、その一文字でも、意味が伝わるので、子どもたちにとっては、そこから色々なことが連想されるというメリットがありますね。確かに、記憶力が上がるのかもしれません。

 

漢字を教える学校の校長は、「自国の文化や歴史を理解すると同時に、漢字圏の中国や日本について学ぶ上でも、韓国の子どもたちが漢字を学ぶことは大切」と言います。

 

私たち日本人も、中国や韓国について、もっと学ぶことで、見方を変えていかなければいけませんね。