足場的支援

今日は強風の中での屋上遊びとなりました。ホワイトきゃんばすの子どもたちは、寒さには慣れているので大丈夫なのですが、自転車に乗る子どもたちを見ていると、追い風と向かい風でのスピードの違いや、ペダルをこぐ力の加減などを考えて遊んでいました。

 

「風が吹くとどうして違うの?」と、ちょっとした考える遊びが行われていたのです。いいですね。

 

さて、小学校の算数の授業についての話です。算数は、2年生の九九から3年生ではさらにレベルが上がり、高学年では、授業についていけない児童が多くなる科目です。ある先生が、「28÷4」の筆算を教える場面の一例です。

 

「ほら、まずどうするんだった? 28に中に4はいくつ入っている? 5? 違うな? 6? まだ小さいだろ。もっと入っているよね。 7? そうそう! これをここに書くんだよ。分ったかい? うん? 分からない? じゃ図で書いてみるよ・・・」

 

私も、こんな教え方をしてしまいますね。しかし、このアプローチは、ただ先生が誘導しているだけに過ぎません。

 

そこで、問題を解くのに困った時に使える手段を、子どもたちに先に示すように、この先生は修正します。

 

①先生に相談 ②友だちに相談 ③算数ソフトを活用 ④NHKのテレビ放送を視聴 ⑤教師用指導書を活用・・・と5つの選択肢を子どもに与えます。すると、最初は、誰かと一緒に、仲の良い子を選びます。それからは、自分が問題を解くのに、最も的確なアドバイスをくれそうな相手を選ぶようになるそうです。

 

また、自分一人でどんどん問題を解きたい児童は、一題できるたびに教卓の上に置かれた教師用指導書を見ては、丸付けを自分でしているそうです。

 

このように、事前に子どもたちが自分で選択できる支援のことを「足場的支援」と言うそうです。なるほど、足場はつくるけど、それをどう使うかは自分で考えなさい・・・ということですね。子どもたちの主体性を引き出すことができますね。

 

この方法で、この先生は、今まで授業についていけなかった子どもたちに「いつでも聞けるから安心」「やりやすい方法でやれるから好き」となり、テストの点数もぐんぐん伸びたそうです。

 

私たち大人の世界で考えてみましょう、例えば会社で、これから必要とされる人材は、専門知識を持つ人材ではなくて、専門知識を持つ人材をたくさん知っている人と言われています。

 

何か新しい事業を行う時に、一人で全てのことはできませんね。この分野のことはAさんで、あれはBさんに聞けば、この問題はクリアできる・・・というセンスを持った人です。

 

先ほどの算数の授業などは、まさに、これからの人材育成にもつながるような内容だと思いますね。どうですか・・・私たち大人も、仕事のスタンス変えてみませんか?やみくもに勉強して知識を得るのではなく、知識を持った人材を見分ける力を持つことの方が、生き残れるかもしれませんね。