おひるねハウス

今日は、母の三回忌を行いました。三回忌は、亡くなった後2年目の命日に行う法要です。自宅で、お坊さんに来ていただき、身内だけの法要ですので、中止にはせず、粛々と行いました。母には、正体不明のウイルスが発生して、世界中が混乱していることを伝えます。

 

供養といえば、昨夜は、映画「さびしんぼう」をみながら、大林宣彦監督を偲びました。1985年の映画です。久しぶりにみましたが、若者の切ない想いと、葛藤と、笑いと、たくさんの、大林ワールドを感じることができました。

 

保育園の子どもたちには、時代が変わっても、人を好きになること・・・悲しい経験もたくさんして、青春を堂々と生きて欲しいと思いましたね。つらい経験は避けたいと思いがちですが、人の心の痛みがわかる思いやりの心が育ちます。「さびしんぼう」は、とっても切ないけど、前を向いて歩こうと思える作品です。

 

さて、愛知県の三河湾に佐久島という周囲11キロの小さな島があります。ここは人口過疎化対策で、1996年に「アートによる島づくり」を始めます。しかし、奇抜なパフォーマンスは芸術性はあっても、島民にはなじむことができず、空回り・・・そこで、島の代表は、アートプロデューサーを代え「自然や伝統との融合」を打ち出します。

 

鑑賞よりも遊んで楽しめるもの。木陰の涼しさとか波の音とか、自然を感じるアート作品が島全体に配置されると、若者が島を訪れるようになり、2004年に年間3万6000人ほどだった観光客は、2015年以降は10万人を超えるようになったそうです。

 

佐久島の海岸に出ると、縦、横3列ずつ9個の棚に仕切られた黒い箱が海の前にあります。はしごを上り、一番上の棚に潜り込んで寝ころんで目を閉じると・・・波の音、風の音、鳥の声・・・。今まで聞こえなかった音が聞こえてきます。そして、目を開けると、海が絵のように四角く切り取られて見えます。風が通り抜けて、気持ちのいい空間となっているそうです。

 

どうですか・・・「おひるねハウス」のイメージがわいてきましたか。今は、こんな場所で、海風を感じながら、私たちが直面している「世の中の重荷」をおろしたいですね。