離任式

年々、大空に泳ぐ鯉のぼりの姿を見ることが少なくなってきましたが、今は、その鯉のぼりを「希望」の姿として、受け止めていきたいですね。

 

さて、学校の先生たちの人事異動は、民間企業と違って、どちらかというと時間的に慌ただしい人事異動です。

 

4月1日付の人事異動ならば、民間企業の多くは1か月前に発令され、3月中に送別会をして別れを惜しみ、新天地での活躍のエールを送るのが一般的です。しかし、先生たちの人事異動は、3月末に新聞発表されて、子どもたちや保護者の知るところとなります。

 

さいたま市なら、今年は3月30日(月)の朝刊に「教職員人事異動一覧」が掲載されました。卒業式も終業式も終わっていて、4月1日には、新しい学校や教育委員会などに着任するので、児童生徒たちと「さよなら」の挨拶もできないままになってしまうのです。

 

そこで、多くの学校では、4月以降に「離任式」というお別れの式を行います。慌ただしい年度末、子どもたちと過ごしたあれこれをかみしめる間もなく前任校を離れた先生たちにとっては、子どもたちと再会し、涙の離任式となり「教師になって良かった」と教師冥利を実感する時間となるのです。

 

私もPTA活動をしていた時は、PTA総会の日が離任式で、ろくにご挨拶ができずに離れてしまった先生たちと、ゆっくりと話ができた記憶があります。

 

卒業式や運動会などと比べると、学校関係者以外、あまり知られていない「離任式」ですが、とても大切なお別れの式となっています。ところが、今年は多くの学校で離任式が延期や中止になっていると聞きます。

 

子どもたちにとっても、「お世話になった先生」への感謝の話を伝える機会を失いたくないですね。なんとか、世の中が落ち着いて、夏や秋になっても、子どもたちの成長につながる大切な「節目の日」をつないでもらいたいです。