雑草を探究する

今日から6月に入りました。緊急事態宣言を受けて、保育園を自粛していた園児たちも、今日は久しぶりに登園してきました。大泣き園児に、意外にも泣かないで頑張った園児と、賑やかな日常が少しずつ戻ってきました。

 

今週の金曜日から、体操教室も再開します。今日は、雨でしたので、教室内で寺子屋園児は、マットやトランポリンを使って体を動かしたり、整列の練習をしました。年少の新人寺子屋さんは、まだ体操教室を1回しかできていないので、いよいよです。

 

さて、今日は、「雑草生態学」という初めて聞く学問を専門にする、農学博士の稲垣栄作さんの話です。

 

彼は、バイオテクノロジーに憧れて岡山大学の農学部に進みます。大学4年の時に、研究室で栽培していたのが、畳の原料になる岡山県産のイグサでした。ところが、鉢の底からイグサに似た雑草が生えてきます。

 

指導教官に「何という草ですか?」と尋ねると、「花が咲けば植物図鑑で調べられるから、それまで置いておきなさい」と言われたそうです。しかし、なかなか花が咲かず、イグサよりも謎が多いこの雑草の方が気になってきます。

 

植物図鑑を買って調べると、この雑草はイグサ科の「コウガイゼキショウ」と突き止めることができました。それから、稲垣さんは、「教科書を開いてもわからない雑草の不思議さに魅了されました」と、雑草学者としての第一歩を踏み出すのです。

 

その後、多くの著書を出し、活躍されています。「道草が多かったが、何一つ無駄なものはなかった。雑草額という軸を持っていたおかげです」と言います。実は、大学の時の教官は、あえて教えずに観察させることで、探究の面白さを気づかせようとしたのです。

 

稲垣さんは、この経験から「自分で学んだことこそが力になる」と実感します。現在、静岡大学の教授として、学生には「一日中観察したら…すごい発見があるかもしれないね」とアドバイスを続け、学生自らの発見に驚いているようです。

 

はい。今日言いたかったことは・・・「子どもには、いつか好奇心が芽吹く時がくると信じて、種を蒔くけど、それ以上のことは、しないで見守る」というアプローチを、私たち大人はやりたいものです。ついつい、答をすぐに教えていませんか。