カミュの「ペスト」

先週から体操教室が再開したのですが、私は父の件でバタバタしていたので、今日が、園長としては、久しぶりの体操教室です。しっかりと、子どもたちの様子をビデオ撮影したので、やる気満々の園児とやる気が空回りした園児と・・楽しい時間となりました。(笑)

 

さて、新型コロナウイルス感染症の問題を受け、カミュの「ペスト」(新潮文庫)が話題になっています。これは、アルジェリアのオランという町で発生したペストを巡る人間模様を描いた小説です。コロナウイルスへの向き合い方と重なる部分があり、人間の本質を突く内容です。

 

ペストの大流行で、ロックダウンされたこの街から、闇の組織を使って脱出を試みようとする新聞記者のランベールとペストに立ち向かう、主人公の医師のリウーが登場します。

 

ランベールはスペイン戦争の経験から、「勇気やヒロイズムといった観念で人は死ねるし、殺すこともいとわないのではないか」と考えるようになっていました。ランベールは、リウーの行動原理は、自分が嫌う、勇気やヒロイズムなのではないかと非難するのです。

 

しかし、リウーはこう答えます。「今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。そんな考え方は笑われるかもしれませんが、ペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」

 

ランベールは聞きます。「どういうことだい。誠実さって何なの?」リウーはこう答えます。「僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」

 

どうですか・・・今起きているコロナウイルス騒動に対しても、一番大事な行動は「誠実さ」と当てはめると、日本人の行動様式は、世界の中では、トップクラスの「誠実さ」と言えるのかもしれません。

 

新しい生活様式は、私たちの「誠実な行動」が、基盤になっていくことは間違いないですね。自分の胸に手を当てて「誠実さとは?」問うてみませんか。