大人の昔話①「人まねじいさん」

今日から保育園はお盆休みです。おじいちゃんおばあちゃんのもとへ、帰省を見送る家族もいれば、新幹線で帰省をする家族もいます。安全対策を行って、あとは大人の判断ですね。

 

さて、保育園では、毎朝「読み聞かせ」を行っています。同じ物語を繰り返すことが多いのですが、それでも子どもたちは、真剣に物語に入ります。では、私たち大人は・・・大人になった今こそ、新しい視点で昔話を読み返し、懐かしい思い出とともに、大人の視点での発見を楽しむのはいかがですか。

 

初日は、「人まねじいさん」を読んでみましょう。「猿地蔵」というタイトルで読まれることもあるようです。

 

登場人物は、猿のほか、おじいさん、おばあさんと隣のおじいさんだけです。昔話は、とてもシンプルな内容が多いですね。

 

あらすじです。

 

おじいさんは、歌いながら地蔵を運ぶサルたちを見かけます。「これはおもしろい」と、地蔵の真似をして待つと、サルたちはおじいさんを地蔵と思い、お堂へ運びました。おじいさんは、たくさんのお供え物をもらって、おばあさんのところへ帰りました。

 

その話を聞いて、真似したのが、隣りの欲深おじいさんでした。同じように、地蔵の真似をして、サルたちに運ばれるのですが、サルの歌があまりにも面白くて笑ってしまいました。地蔵でないことに気がついたサルは、欲深おじいさんを川に落としたという話です。

 

保育園でよく読み聞かせをするのが「花咲かじいさん」です。まじめなおじいさんと、隣りのいじわるなおじいさんが登場する典型的な「隣りの翁型」の昔話ですね。

 

子どもたちには、「欲張ると、隣りの意地悪じいさんのようになってしまうよ」と、強欲を慎みなさい!という教訓を伝えますが、大人になって考えると、こうも受け取れます。

 

「人のマネをしていると、ろくなことにならない」とも・・・やっぱり、自分で考えて、自分らしいことをしなさい!と言えますね。世の中では、「柳の下の二匹目のドジョウを狙ってもうまくいかない」と言われるように、マネは長続きしません。

 

私たちは、様々な情報や、人の行動をヒントに、「新しい取組み」や「新商品開発」に取り組むのでしょうが、マネは自分で考えたことではありませんね。

 

これから、子どもたちには、「○○じいさん」の話をした後に、「欲張ってはいけないよ」にもう一つ「人のマネをするんじゃなくて、自分で考えてごらん」という教えもプラスしてみませんか。