成長から成熟へ

8月入ると、6日は広島・9日は長崎・12日は日航機墜落事故そして、15日は終戦の日と、お盆が終わるまで、1年間のうちで、色々なことを深く考える時間です。しかし、今年のお盆休みは「いつもと違う・・」となってしまいました。

 

遠出を自粛しなければ・・・でもご先祖様の墓参りには行かないと・・・それぞれが、葛藤のお盆休みだったと思います。

 

終戦から75年目の夏・・・先日、テレビ番組では、懐かしのヒットソングが流れていました。太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」では、「恋人よ ぼくは旅立つ 東へと向かう列車で・・・」という「東」は、東京のことです。吉幾三さんの「オラ東京さ行くさ」も大ヒットしました。

 

地方から東京への人口移動のピークは1962年に起こりました。「東京は進んでいる」「東京に行けば何でもある」と誰もが思い、戦後の高度成長期という時代背景もあって「集団で1本の道を登る時代」でした。「みんな一緒でみんないい」と多くの日本人が思っていました。

 

しかし、「24時間ガンバレ!」と言われて競って山を登り、山頂に立ったら視界は360度開け、道は無数にあることがわかったのです。そうです、山を下りる時は、1本の道をみんなで降りるのではなく、それぞれが、自分が進みたい道を歩み始めたのです。

 

コロナ禍以前から、若い世代のローカル志向が強まっています。農業や環境…祭りなどの地域行事への関心も高いです。

 

拡大・成長から成熟の世界へ・・・日本が持続可能な社会となるには、地方分散型の方が、格差や健康、幸福の点で優れていることだけは間違いありません。

 

日本よりも一足早く60~70年代に車社会になったドイツでは、80年代から車の規制を始め、歩いて楽しめる街づくりに舵を切りました。人口10万人未満の都市でも、中心部にはカフェや商店が並ぶコミュニティ空間が広がり、食料や自然エネルギーを地産地消するなど、地域に根付いた経済も活発で、経済と環境と福祉がうまく融合、循環しているところが多いと聞きます。

 

日本でも兵庫県姫路市では、駅前に「歩ける街づくり」の試みが始まっているようです。

 

都市で生活しようが、地方で生活しようが、人々が自分のライフスタイルに合わせて、生き方を選択できる時代が、成熟の時代だと言えるのかもしれません。令和になったばかりの日本ですが、成熟社会の実現に向けて進んでいかないといけませんね。

 

みなさんのお盆休みは、どんな過ごし方をされましたか?そして、どんなことを考えましたか?