ジレンマとトリレンマ

今日の寺子屋では、ボール投げの練習をしました。午前中の外遊びで、ノックをしたのですが、子どもたちの返球があまりにもお粗末だったからです。ずば抜けて野球が得意な6歳男の子を除いて、ほとんどの園児が、パパとキャッチボールをする習慣などありません。

 

私が子どもの頃は、スポーツと言えば野球しか選択肢がない時代でしたが、今は、様々なスポーツを経験することができます。「巨人の星」の星一徹のようなおやじの存在は、昭和の時代にとっくに終わっていますね。

 

ということで、今日は、投げ方から教えます。最初は、ぎこちないフォームも、壁投げを続けていくうちに、だんだんと形になってきました。6歳男の子がコーチもやります。そして、多くの園児がボール投げを楽しく思えるようになったようです。保育園に戻ると、キャッチボールを始める園児が何人もいたので、これからが楽しみです。

 

さて、今日は、ジレンマとトリレンマの話です。

 

お菓子づくりで、「生活習慣病予防」と「満足感」の2点両立は困難です。また、お惣菜では、「生活習慣病予防」と「満足感」と「安上がり」の3点の実現は困難ですね。

 

この2点両立困難を「ジレンマ」と呼び、3点の実現困難は「トリレンマ」と呼びます。ジレンマは、よく使う言葉ですね。

 

例えば、教育におけるジレンマの例をあげると、学校のホームページで充実した写真の公開は、学校経営を考えると有効な戦略ですが、子どもの写真公開は個人情報を守る観点からすると、無制限という訳にはいきませんね。しかし、事前に保護者に写真公開の承諾書をもらうなどして、何とか対応が可能です。

 

次はトリレンマの例です。クラスには、勉強が「得意群」「平均群」「苦手群」の3つが存在するとして、この3群全ての学力を同時に高める授業ができるか・・・これは、困難極まりますね。隣り合う2群の両立は何とかなりそうですが、「得意群」「苦手群」の両立は簡単にはできませんね。

 

しかし、ホワイトきゃんばすの異年齢保育に、そのヒントがあるような気がします。寺子屋園児の学び合いは、3歳児の年少と5歳児の年長では、学力差も体力差もかなり大きいです。それを「教える」「学び合う」といったやり方で、「年長」「年中」「年少」の3群すべてが伸びる姿は、寺子屋の授業ではよくありますね。

 

最近では、当たり前のアクティブラーニングですが、子どもたちが主体の授業というのは、できる生徒が、活発に手をあげて答える姿ではありません。できない生徒がどう関わり合えるかが、大事になってくるのです。ここでも「学び合い」手法が有効かもしれません。

 

公立学校の限界だ・・・私教育や学習塾にピンポイントは任せると言うのは、簡単ですが、何とか、公立学校の中でも、ジレンマ、トリレンマをクリアしてもらいたいですね。

 

私たち大人の社会では、ジレンマやトリレンマとの戦いが日常茶飯事です。ここでは、「自分で考えて自分で答えを出す力」が求められますね。どうですか・・・あなたは、戦っていますか。そして、考えていますか。