オトナの酒学(しゅがく)旅行

保育園の屋上遊びの一つに、ローラースケートがありますが、最近では、5歳女の子が「スケートボード」にはまっています。私もさすがにスケボーの経験がありませんので、教えることができません。彼女は、独学で頑張っています。体重移動で、上手に滑っています。

 

さて、山形県天童市に「出羽桜酒造」があります。「出羽桜」の酒は、多くの酒売り場で見ることができるので、ご存知の方も多いと思います。私が、学生の時に「出羽桜」を初めて飲んだ時は、「これが日本酒?」と衝撃を受けました。冷酒で飲んだので、まるでワインのようにフルーティーだったからです。1980年代の出羽桜が、吟醸酒ブームのきっかけとなりました。

 

2019年には、売上が約18億円ですので、日本酒の酒蔵としては大きな規模ですね。しかし、コロナ禍で売上が低迷しました。おうちで、日本酒を飲む需要が増えても、飲食店向けの需要が激減したからです。

 

そこで、阪急交通社と組んで、オンラインツアー「オトナの酒学旅行」を企画したのです。5000円で酒とつまみが付き、杜氏の解説や松尾芭蕉の俳句で有名な山寺・立石寺などの映像も配信されます。

 

「重要な工程は、一麹(こうじ)、二酛(もと)、三造り、と呼ばれます」・・・と語る杜氏の解説を聞きながら、純米大吟醸と吟醸酒を手に、レトルトの芋煮とフリーズドライのだだちゃ豆をつまみにします。社長の仲野氏とタレントが吟醸酒の魅力についてのトークショーを繰り広げ、最後は、山形名物の「花笠踊り」を舞ってツアーは終了です。

 

もちろん、直接山形を観光して酒蔵を訪れるほうがいいに決まっていますが、コロナ禍で考えた、秘策ですね。仲野社長は「我々のような古い会社は他業種との交流に及び腰だったが、自ら発信することの重要性を学んだ」と語ります。

 

10月末に開催した1回目のオンラインツアーでは、85人が参加したそうです。この中には、日本酒ツウだけでなく、初心者も多くいたそうで、低迷する日本酒の普及にも貢献していると言えます。日本の酒蔵は、毎年その数を減らしています。

 

コロナ禍で、売上が激減する企業が多いのですが、考えて・・・考えて・・・今まで想像もつかなったことにつなげることができれば、まさに、ピンチをチャンスに!です。応援したいですね。