アカムシの神秘

今日は屋上ファームでジャガイモ収穫です。今回は、「アンデスレッド」という種類のジャガイモを収穫しました。名前の通り、赤くて、アントシアニンもたっぷりと含まれているジャガイモです。

 

スーパーマーケットなどには、ほとんど流通しない希少性の高いジャガイモです。どんな味かというと、男爵イモに似ているそうで、定番のじゃがバターで食べるとおいしいようです。私も食べたことがないので楽しみです。

 

さて、アカムシという虫をご存知ですか。保育園の子どもたちは、体長1センチの真っ赤で棒状の姿をよく知っています。保育園の水槽のウーパールーパーやアカハライモリのエサにしているからです。

 

これは、ボウフラの一種で、まもなく、ユスリカという蚊になります。ユスリカは、人を刺す蚊ではありません。河原などに集まって、蚊柱を作りながら飛んでいます。交尾のために寄り合って、産卵を終えると数日のうちに死んでしまいます。

 

このアカムシですが、実は、生物学の進歩に大きく役立ったのです。

 

アカムシがユスリカになる前に、小さなサナギになります。このサナギの頭部をピンセットで外すと、その下に透明な袋状のものがくっついて出てくるそうです。これは「唾液腺」と呼ばれる器官で、この唾液腺を高倍率の顕微鏡で観察すると、バーコードサインのような形をしています。これが、DNAそのものだそうです。

 

ふつうDNAは、高倍率の顕微鏡でも見ることができません。しかし、アカムシのDNAは可視化できるのです。これは、生物学にとってこの上なく便利な研究対象となったのです。

 

遺伝子の位置と働きを関連付けられるということは、遺伝子の地図が描けることにつながります。これは、現在私たちが手にした全DNAのデータベース、すなわち、ゲノム情報の解析へとつながっていったのです。

 

どうですか・・・釣り餌として抜群の威力を発揮するだけでなく、ウーパールーパーの大好物である、このアカムシが、生物学の進歩のキーマンとなったのです。アカムシを見る目が変わりましたか。(笑)