年齢主義の日本

朝の気温が低くなり、冬らしくなってきましたが、屋上は風もなくポカポカです。今日は、初めてストライダーに挑戦する園児が3人もいました。まだゆっくりですが、楽しかったようです。自転車に乗れるようになるまでどのくらいかかるか、楽しみですね。

 

さて、「七・五・三」現象という言葉をご存知ですか。これは、授業内容を理解している子の割合で、小学校は7割・中学校は5割・高校は3割と言われています。この数字で言えば、義務教育が終わって高校生になると、たった3割しか授業についていけないということになります。

 

この原因の1つとして言われているのは、日本では「年齢主義」が維持されているからです。義務教育の小中学校では、健康上の理由を除けば、留年することはまずありません。勉強についていけなくても、そのまま進級しますね。

 

では、外国ではどうなっているかというと・・・15歳の在籍学年の比較です。日本では、4月の高校1年生の年齢は15歳ですが、ほぼ100%が高校1年生です。

 

しかし、飛び級が多いドイツでは、半分近くの15歳未満の生徒が、高校1年の授業を受けています。逆に、ブラジルでは、半分以上の生徒が16歳以上です。留年が当たり前の環境であることが分かります。韓国・フランス・フィンランドでも、全体の10%以上の生徒が留年を経験しています。

 

つまり、生徒個々の学習内容の習得状況によって飛び級も留年もあり、1人1人に寄り添った進級という考え方なのです。習得が早い人は、飛び級でどんどん進み、時間がかかる人は、留年して、じっくりと学ぶということが、自然と行われているのです。

 

今の日本では、学習の習得状況によって、学年を進めたり遅らせたりするのは「変わり者」「落ちおこぼれ」のレッテルを貼られることにつながります。しかし、これからの時代は、学年と年齢が一致する必要などありません。「年齢主義」から「課程主義」にシフトしていくことも、これからの日本の教育課題と言えるのではないでしょうか。

 

クラスの中で、違う年齢の生徒が学び合う・・・異年齢教育を考えれば、特別なことでもありませんね。あとは、偏見がなくなればいいのです。